netkeiba.comにおける有馬記念の1週前追い切りチェックでイチオシにした栗東所属馬は〇シュヴァルグラン。ジャパンカップのパドックでその様子を確認した時に「無印で間違っていなかった」と思う馬体でしたが、翌週に栗東でその姿を確認すると、パドックで見た時よりも迫力が出ていたのです。これに驚き、騎乗していた藤本純調教助手に聞くとその判断が間違いでなかったことを確信します。
ここから立ち上げていけば、間違いなく有馬記念の頃には本命を打てる。そう思って、毎日の調教を見ていましたが、主に調教に跨った大江祐輔調教助手のいろんな工夫により、見る見ると馬に重厚感が出てきます。あとはここに気持ちを乗せていく調教だと思っていましたが、12月11日の栗東坂路での調整でエンジンをかけ、13日のCWでの3頭併せでいつでも動けるアイドリング状態を確認しました。
そして最終追い切り。H.ボウマン騎手が跨り、坂路での併せ馬は楽々と先着。併せた相手は馬体を並べられた時に完全に怯んでおり、完全にG1ホースのオーラが戻ってきました。担当する津田朝明調教助手からも「今回が間違いなく一番」という言葉が聞けました。
あとは枠順と思っているところに、友道康夫調教師が引いた番号は15。これにはさすがに賛成はできません。状態に関しては文句ないと思っていますが、この枠からどんな競馬をするかというイメージが沸きにくいだけに、本命を打つことはできませんでした。
▲キセキも本命候補の1頭でした。JCでのパドックは素晴らしく、ひょっとしたらアーモンドアイに勝てるかもと思わせてくれる姿。それであのパフォーマンスですから、翌週にその姿を見た時はさすがに疲労があるだろうと思いました。ところが、それ以降は週を追うごとにぐんぐんと良くなっています。こちらも担当する清山宏明調教助手のいろんな工夫により、調整の成果が出ています。前走を維持というか、前走以上。本当にそう感じていますが、やっぱりこちらも外枠。思い切ってハナを奪うくらいの気持ちで出していくかも知れませんが、その浪費がゴール前で響かないとも限りません。ちなみに最終追い切りでCWの時計が遅くなったことは全く気になりませんし、むしろ4Fはしっかりと時計を出していたり、手前を何度も替えている走りにはどこか余裕を感じます。
最後に残った本命候補の◎パフォーマプロミスに託すことに決めました。北村友一騎手(レースはC.デムーロ騎手)が跨ったCWでの最終追い切りを見た時は鳥肌もの。こんなに迫力が出てきたんだと感じていました。いろんなパターンで最終追い切りをこなしていた同馬なので、今回をどんな調整で出走してくるかと楽しみにしていましたが、速い4F時計を出してきた時点で完璧な状態なのだろうと感じることができました。
また5番枠を引いたことで、レースイメージは昨年勝ったグレイトフルS。当時は1番枠なので、それに比べると少し外になりますが、4番より内に入った馬の脚質は比較的ハッキリしているので、ポケットに潜り込みやすいと思います。このあたりは策士、藤原英昭調教師ですから、ベストな戦法をジョッキーに指示することでしょう。
客観的な調教データでは、標準多め併用になりますが、過去には10番人気オーシャンブルーが3枠から2着に好走しています。内でじっと脚をため、勝負どころから長く脚を使う。それが可能な調教内容です。
△レイデオロは前走時と同じ調教タイプ、乗込併用。最終追い切りで先着だった併せ馬が同入になったくらいで、特に調教内容から減点するようなことはありません。ただ、この枠順でレースが平均ペースに流れるようなら後方からのレースになることは間違いありません。2歳時に強いレースを見せたことがある中山競馬場ですが、このメンバーでも当時のような決め脚を使えるかどうかでしょう。
枠順を加味して、標準多め併用を最大限に評価したい☆マカヒキ。こちらはジャパンカップを回避して、その後は試行錯誤しながら調整されてきました。その結果、最終追い切りでは素晴らしいCWでの併せ馬先着。走りに安定感が出てきた点は評価できますし、乗り方ひとつで十分に馬券圏内が可能だと思っています。
有馬記念は基本的に坂路調教オンリーが不利。それでも印を打っておきたいのは注ミッキーロケットと注モズカッチャン。
まず前者はジャパンカップ回避の影響もあってか、1週前追い切りの時点ではまだ動き切れていない印象でしたが、最終追い切りではこの馬の好走時に見せるスピード抜群の動き。自己ベストをマークした時に宝塚記念を制したことを思えば、今回の自己ベストから0.1秒しか遅くない栗東坂路4F50.8秒は間違いなく評価できます。
後者はエリザベス女王杯をひと叩きして確実に良くなっています。それを示した1週前追い切りだったと思いますし、だからこそ最終追い切りでは無理に時計を出す必要がなかったのでしょう。この枠順なら思い切って出していくかも知れません。
印を打ったのはここまで。無印の馬は簡単な調教内容の評価を付け加えておきます。
[オジュウチョウサン]最終追い南Wでの内容は前走以上。柔軟な前捌きで状態は前走よりも良いと思います。
[クリンチャー]2週前追いの動きがひと息で、そこから徐々に良くなっています。ただ、最終追いの動きは天皇賞・春に比べても物足りません。
[サトノダイヤモンド]さすが優等生という感じで引退レースの追い切りはきっちり動きました。ただ、そこに唸るような迫力がない点が気になります。
[サウンズオブアース]これまでなかったCWでの4F追いを敢行。動きは良かったものの、これまでより短い距離で追い切ることが決してプラスなレースではありません。
[ブラストワンピース]印を付けたかった1頭ですが、1週前追い、最終追いともにイメージしていたよりも迫力がありません。
[リッジマン]レース間隔が詰まることもあり、追い切りはセーブ気味。上積みは考えにくい調教内容です。
[ミッキースワロー]前走時の最終追いに比べると、アゴの上がった感じはマシ。ただ、もっと切れのある動きをする馬だという印象です。
[スマートレイアー]追い切りは抜群に動くタイプですが、今回は地味。
[サクラアンプルール]昨年の有馬記念出走時は美坂での追い切りでしたが、今回は南W。しかも併せ馬で外から追走して、仕掛けを遅らせながら前を捕まえるという脚力を見せています。この枠じゃなければ、印を付けたかったというのが本音。日経賞のように大外ブン回しではさすがに足りないと考えて無印にしました。