G1になって、今年が4回目の大阪杯。過去3回のレースは2つの傾向に分けることができて、1分58秒台決着だった2017年と2018年。2分を超える決着だった2019年です。17、18年は1週前追い切り、最終追い切りがともにCWの優勝。対して、19年は1週前も最終も栗東坂路の優勝でした。時計を要する戦いになれば、坂路のパワーが重要になりますが、スピードの持続力ということになれば、CWが重要になります。
4月4日早朝時点で予想できる大阪杯の馬場状態は良。時計も先週までの傾向を考えれば、速い決着になるでしょう。スローペースになることも予想できますが、そうなれば、早目に仕掛けていく流れを想定しているので「CW重視」の予想方針です。
◎ラッキーライラックは1週前追い切り、最終追い切りがともにCW。昨秋からCWでの追い切りパターンに戻し、成績が安定してきたように思います。また走るフォームがより安定してきたことで迫力のあるフットワークになりました。ダイナミックですが、ブレのない走りなので、その走りを安心して見ていることができるといった感じ。1週前追い切りは併せ馬の予定が、結果的には前と離れすぎたことで単走になりましたが、これはエリザベス女王杯1着の時と同じ。最終追い切りはエ女杯とは違って単走になりましたが、偶然前方を走っていた他厩舎の馬を追い抜く形になりましたから、気持ちの入った走りになったとは思います。
松永幹夫調教師が共同記者会見でもコメントしたように、前走時は1週前に外傷があって、1週前追い切りが軽くなりました。水曜、日曜にペースで時計を出していく馬が、個2月16日の日曜に時計を出せなかったということも影響したように思います。とはいっても前走は前哨戦。それで2着を確保するあたりが、今の安定したラッキーライラックだと思いますし、水曜と日曜のペースを崩すことなく仕上げることができた今回は万全です。
○クロノジェネシスは京都記念が週中CW、週末栗東坂路という併用調教で牡馬混合重賞を制覇。パワーアップしたという印象ですが、今回は週末栗坂は1回時計を出しただけで標準トラックに仕上がりました。ただ1週前追い切りと最終追い切りがCWなので、調教適性としては全く問題なし。むしろ1週前も最終もCWはこの2頭しかいないので、調教適性的にはほぼ一騎打ちだと考えています。ハナに行く馬がいない中でこの枠順は非常に難しい選択を迫られそうですが、そのあたりはこの馬のことを知り尽くしている北村友一騎手が対処してくれるでしょう。
▲ダノンキングリーは1週前追い切り、最終追い切りともに南W。そもそも美浦所属馬がこのレースで3着以内に入ったことがないだけに、南Wが評価できませんが、CWと同じトラック馬場という意味では調教適性はあるはず。なにより、最終追いのあの機動力を見せられてはここで評価しないわけにはいきません。前走を使ったことで確実に良くなっていますし、1週前から最終追いで変貌するのも前走と同じ。ペース次第ではこの馬がハナに立つ可能性もあると思っています。
△ワグネリアンは1週前追い切りがDP。昨年はD芝だったので、トラック馬場という意味では同じですが、最終追い切りが栗東坂路も昨年と同じ。3着だった結果を思えば、これ以上の評価というわけにもいきません。最終追いの動きは昨年に比べると、少し我慢できないところがあったのか、頭を上げるシーンがありましたし、ちょっと気持ちが乗りすぎているとするとその点だけは心配です。