ウォーターリヒト。
　初めて買う馬。
　ドレフォン産駒の、牡馬。
　良駒だと思う。

　前走の勝ち方を見て、次走が東京コーならと思い、待っていた。芝で、意外な決定力がある。前走は逃げ切り体制だった馬を、１頭だけ伸びて差し切ってしまった。１頭オープン馬が混ざっていた印象。

　ドレフォン産駒が、俄然盛り上がっている。ワープスピードのメルボルンC２着激走には驚かされた。あの馬は距離的に「異能」のタイプだが。　根はダート血統だと思っている。クラシックには縁遠い。しかし、器用に芝馬も出してくる種牡馬という印象を持つ。テイルオブザキャット→ストームキャットという系統。ストームキャット産駒の日本での代表産駒、シーキングザダイヤの様なイメージ。芝とダートを行ったり来たりした。そして”東京が得意”だった。

　鞍上は、田辺騎手。
　これが不安だ。行き切り・下げ切りの騎乗が多い。ただ「オープン特別まで」と決めてかかって、今年はブレイクフォースなどで勝たせてもらった。下げ切りにも、限度がある。東京はＣコース。そんな簡単に大外一気は決まらない。中団の後ろくらいは確保しながら、折り合いをつけてもらいたい。

　もう１頭、買おうかと思っていた馬が出てくる。
　ドーブネだ。
　白富士S（２着）、キャピタルS（１着）、京都金杯（着外）と買ってきた。京都金杯は失敗した。この馬の特徴は掴んでいる。ディープインパクトは母父を色濃く出す。そのセオリー通りに、フットインザステップ産駒らしさが満載の馬だ。ジャイアンツコーズウェイ系で、上がりが速いとアップアップになる。適度に上りがかかる展開を、ハナか二番手で、先行して押し切る競馬が理想。多少ハイペースでも、そのスタイルを取るべき。

　Ｇ３の京都金杯で負けてＧ２の中山記念で巻き返しているように、急坂はむしろ平気。単騎で行ければ、上がりがは速くても粘る。２番手からでも隊列が崩れない形であれば粘る。上がりがかかるレースが得意。そこで、サブ馬券として『ウォーターリヒト・ドーブネのワイド１点』を少しだけ付け加える予定。
　
　マーカンドを配してきたレッドモンレーヴも注目。ゲートもイマイチで、乗りにくい馬だとは思うが、前走の富士Sは「まったく競馬に参加していない」。さすがに蛯名師も鞍上を変えてきた。ここは悔いのない乗り方をしてきそうで、名手マーカンドの腕に託す一戦。これでダメなら本当にムラ馬ということになる。東京は得意な馬だ。マークしたい。

＜本島修司の競馬分析ワード＞

【馬単位】：2008年に本島が発案した概念。一般的な「このレース、どの馬が来るか」ではなく「この馬、どのレースなら来るか」という見方に切り替えること。馬１頭と真摯に向き合うための概念。

【良駒】：その種牡馬の「産駒らしさ」が濃く出ている馬。『信頼性』が見込め、『ポテンシャルの高さ』を測る目安のひとつにもなる。

【エビデンス】：本来は「根拠」という意味の言葉だが、似ているパターンや、似ている状況で「必然の好走が出来た過去の事例がある」という意味で使用している。