前走の◎アーバンシックの立ち回りには驚かされた。デビュー当初から器用なレース運びはできず、後方→大外という大味な内容続きだった馬が、前走は内からするするとポジションを上げ、馬群をさばいて差し切る見事な勝ちっぷり。鞍上ルメールとの手も合ったのだろうが、小回りの中山であれだけ器用に立ち回れたあたりは精神面が成長した証し。春には先着を許していたコスモキュランダを差し切ってさらに突き放した内容からも、いよいよＧ１を勝てるだけの域に達したと感じた。

　今週の併せ馬では少し前進気勢の強さを見せていたものの、それでもしっかりと我慢を利かせてラストまで集中力のある走り。迫力満点の動きからさらにもう一段上がった状態で臨める。外めの枠が当たったとはいえ、気性が成長した点と、鞍上ルメールということを踏まえれば、なし崩しに脚を使い切るシーンはまず考えられない。最後の一冠を手にする可能性は十分にある。