【地方厳選予想】人気ほど能力差ない牝馬交流路線で浮上する穴馬
兵庫女王盃の予想の際にも触れたが、今の牝馬交流重賞路線は基本的に主役不在の上位拮抗。少々長くなるが、その際の予想の前文を少し引用する。
▽兵庫女王盃の予想の引用▽
直近の2024クイーン賞でアーテルアストレアが56.5キロを背負って、56.0キロのライオットガールを楽に突き放し1秒5差をつけたから、
「ライオットガール<アーテルアストレア」
が成立するかといえば、そう単純でもないでしょう。コースとか、展開とか、馬場とか、ちょっとしたことによって順番が入れ替わる……というのが現状のこの路線。連勝を続けるようなダートの女王は今はいない。
なので、
「どの馬が強いかというよりも、どの馬がその日に合っているか」
という視点が大事。
---ここまで---
結果はライオットガールが押し切って、アーテルアストレアが2着。もっとも、馬券は外れたが…(えっ…笑)。
まぁ、何はともあれ全体像としてはそういうこと。なので今回もまず基本は、
「今日のレースがどの馬に合っているか」
を考えるのが基本。
三段論法的な対戦比較はあまり意味がない。条件次第でコロコロ順番が入れ替わるということ。
では、この川崎のエンプレス杯ではどういう馬が狙いなのか? そこがキモになる。
同舞台の川崎記念が伏兵ライトウォーリアの逃げ切りとなったが、あのレースがヒント。エンプレス杯も過去5年のうち3年で4角先頭の馬が連対。5年中4年でマクリ含む4角2番手の馬が馬券圏内好走。
前が崩れたのは地力のある逃げ馬が複数頭いた2020年だけで、やはり川崎らしく機動力を問われるということ。長距離だからと言ってスタミナが重要かといえばむしろそうではなく、同じ距離でも例えば東京ダート2100mとは全く異なる舞台。JRAで言えば小回りの1700mや1800mあたりにも対応できるくらいの機動力がある方が良い。川崎記念で好走した牝馬2頭がともに新潟ダート1800m(非常にコーナーがキツイコース)での勝利実績があったのは偶然ではない。
まとめると…
1、牝馬の交流重賞路線は混戦、その日に合う馬が走る
2、川崎ダート2100mは基本的に機動力を問われる舞台
3、JRA実績馬なら1800m以下の小回り実績が生きる
以上を踏まえればおのずと買える馬、少し危ないかなという馬が見えてくるはず。
【本命馬】◎キャリックアリード
本命はキャリックアリード。
実績だけ見れば格下に見えるかもしれないが、実は上位勢とも差のない競馬をしている。2走前はクイーン賞3着。ズブさを見せつつ伸びて来た内容には見どころがあったし、何より距離延長への対応力を感じた。当時4着がライオットガール。2キロの斤量差があった(今回は同斤量)にせよ、そこまで力差はない。
直近の勝利は福島ダート1700mで、最内枠からラチ沿いを立ち回ってきたもの。小回りへの対応力がある点はこの舞台では有利で、追ってジワジワ伸びてくる内容からも、キズナ×母父ガリレオという配合からも(中山牝馬Sを制したコンクシェルなどと同じ)、むしろ距離が延びるのは歓迎だろう。近走の中では最も条件は向きそう。
枠並びも上々で、2番、3番に少し力の劣る地方馬が入ったので、恐らく最内枠でも不利を受ける可能性は低くスムーズに追走できるはず。本馬も地方所属だが、これは出走機会を求めての移籍。能力的に劣ることはない。むしろ地方所属という事実がネガティブな印象を与えるならば、人気面からも買い。あとは御神本騎手に託したい。
〜対抗以下&穴馬〜
対抗にライオットガール。
前走は逃げ切ったが、どんな競馬でもできる自在性が武器で、小回り適性も高い。川崎の条件は合う。内寄りの枠を引けたのもプラスで、ココなら持ち味を生かせそうだ。中村直也厩舎所属馬はヤマニンサルバムなど、使いつつ力をつけるタイプが多く、連戦で本馬も力をつけてきている。差のない競馬になる。
3番手にグランブリッジ。
機動力があり川崎向きで堅実差しタイプ。今回も当然有力。枠も良いところ。
4番手にアイコンテーラー。
川崎向きの機動力を備え、スタミナも豊富。少し外寄りになったので、上手くラチ沿いを取る形が理想。スムーズに運びたい。
アーテルアストレアは不利な前走でもキッチリ差して来た。能力は上位で距離延長も歓迎。ただ気掛かりは川崎への対応と大外枠。少し流れてほしいところ。
オーサムリザルトは川崎への対応がカギになりそう。東京ダート2100mでも勝利実績があり、ゆったりとした走りからも本来はもう少し広いコースが合うタイプ。ずっと外枠でスムーズな競馬を続けられていることもあり、出入りの激しい地方の馬場でどうなるかは少し心配な面もある。やや人気先行の可能性も。
マテリアルガールは能力面ではやや落ちるが、適性でどこまでカバーできるか。吉原騎手なので思い切って逃げの手に出て自分のリズムになると少し怖い面もある。騎手込みで押さえには加えたい。
タテ目も含め攻めと守り併用の3連複。