よりにもよってニシケンモノノフとラブバレットが８枠に並んだ。芝のシルクロードＳへの挑戦から、当初は距離専念のため参戦しない向きもあったフェブラリーＳと寄り道が過ぎたニシケンモノノフが、ようやく自分のテリトリーに戻ってきた形だが、さすがに２戦とも大敗が過ぎる。前進気勢をそぐような心理的な影響は心配だ。それでもこの馬の絶対的スピードがここでは頭ひとつ抜けているから、だからといってラブバレットの先行が楽になるというようなこともない。結局、外から出して行ってオーバーペースになるという線は仕方ないところだろう。
　そこでインからすんなり好位。２頭雁行を後ろから見ていけるグレイスフルリープに展開利が大きくなる。黒船賞は後ろからのプレッシャーを受け続けて、しまいには伏兵の強襲まで許す結果になったのだから、逃げていた立場での５着は致し方ないところ。番手で脚がためられる今回は十分に巻き返せる。
　ペースがもう少し速くなればキタサンミカヅキの強襲が届くという可能性も見えてくる。好位差しがはまる可能性を追うのであれば、同じような位置取りができそうなウインオスカーも相手に押さえておきたいところだ。
　ネロが先行争いに加わっていくのか、動向を読み切るのは難しいが、あえて競りかけずに番手にとどまるのであればウインオスカーと同じように相手候補に。
　ニシケンモノノフの地力は認めてバッサリ逆らうところまではしない。ラブバレットはニシケンモノノフがスッと引いた時に残り目が出てくる。