好走に条件のつくギャルダルは対抗評価
尾持ちスタートをするようになって、4連勝目でジャパンダートダービーを制した実績断然の(1)キャッスルトップが断然の1番人気かと思いきや、案外とそうでもないよう。断然の1番人気ではないのは、逃げるととても強い半面、揉まれると弱いからでしょう。同馬は突っつかれるとハミをもう一度噛み直すようですが、揉まれると気を抜く馬のようです。
そういう馬だけに1枠1番は恵まれたようにも感じますが、スタートはそんなに速くないタイプ。ギャルダルあたりが本気でハナを奪いにくれば、行けない可能性もあります。また、キャッスルトップがハナに行けたとしても、それらに競られた場合にはペースが上がります。ジャパンダートダービーはそれほど速くないペースに恵まれた面も大きく、さらなる距離延長でハイペースとなった場合の不安と、ハナに行けなかった場合の不安があるので、同馬は○対抗評価までとしました。
そこで◎には、デビュー4戦目の鎌倉記念でクビ2着と好走した(2)セイカメテオポリスを推します。鎌倉記念は外枠のジョーロノが馬番1~5番の進路をカットインしての逃げ。同馬が先頭に立ったところで、5番のピースフラッグが競り掛けてきたことでペースアップ。前が脱落して行く中、4角中団中目から、直線の開いた内を突いて浮上したのがセイカメテオポリスです。
同馬は今年3月に戦列復帰してから体調が上がって来ず、スタートがひと息で、位置取りふが悪くなる競馬が続いていました。特に東京ダービーやジャパンダートダービーでは2桁着順に大敗しましたが、その後、短期放牧に出されてからは調子が上がっているようで、今回の本命としました。
同馬は後方からでも展開恵まれれば通用するし、デビュー2戦目の1400m戦を逃げて圧勝しているので、積極的な競馬でも悪くはないでしょう。出遅れて外々を回るロスのあった京浜盃や羽田盃でも善戦していることから、距離2100mでも問題ないと見ています。
▲は、船橋1000mでデビューしたものの、成長期と距離延長が噛み合って、マイル戦の椿賞、クラウンCを連勝し、さらに2Fの距離延長となった3走前の東京ダービーでも4着と好走した(10)ジョエル。3走前はレースが前半5F62秒0-後半5F64秒6の超絶ハイペースで流れた中、内々を上手く立ち回ったとはいえ、先行策からしぶとく食らいついて4着。前々走のジャパンダートダービーは3走前を大目標にした後の一戦で8着に敗れたものの、前走の黒潮盃は速い流れを正攻法の競馬で5馬身差のV。ジョエルも地力をつけていることは明確なので、3番手評価としました。
あとは△に前々走の羽田盃は五分のスタートから押して好位の外まで上がり、ラスト1Fで先頭のアランバローズとの差をじわじわ詰めて優勝した(10)トランセンデンス。前走の東京ダービー時は、いかにもSⅠを優勝した馬の後の一戦らしく、疲れが出て調整が上手く行かなかったのもありますが、厳しい流れを外枠から勝ちに行く競馬をしたこともあって、11着大敗を喫しました。しかし、今回は立て直されての一戦。前々走のように前がペースを引き上げてくれれば、チャンスがあるでしょう。
他では、前々走の東京ダービーでは、前半少し行きたがっていたものの、中団の外追走から4角までは動かず、直線で外からいい脚で伸びて3着と好走した(8)ブライトフラッグ。前々走はペースアップに付き合わず、前がバテるのを待って動いたもの。展開に恵まれたのは事実ですが、今回も直線勝負がハマりそうな感があり、警戒しました。前走のジャパンダートダービーも中団の外で脚をタメて、上手く乗れていましたが、小差の7着だったのは、東京ダービーほどペースが上がらなかった分でしょう。意外と強い馬なので警戒しました。
さらにデビューから6戦全て連対で、前走の東京ダービーでも2着と好走した(9)ギャルダル。前々走の東京湾Cでは、逃げ馬ジョーロノにプレッシャーをかけに行って、同馬が失速して先頭の立ったところで、外からギガキングに競りかけられて2着に失速。ギガキングに5馬身差を付けられましたが、前が厳しい展開になったことを考えれば悪い内容ではありません。前走の東京ダービーはアランバローズが大逃げを打ったことで、実質好位差しの競馬でしたが、ジョエルや展開に恵まれた△ブライトフラッグの追撃を振り切ったことは高い評価ができるでしょう。ただ、今回はこの先を見据えた始動戦になるので、そこが一番不安です。