今年のマイラーズCは3頭で仕方ないと思っていたのが先週。しかし、最終追い切りを終えて「今年は違うかも」と思わせてくれたのが◎グァンチャーレです。
　昨年の6着馬なので、速い馬場に適性がないと思われるかも知れません。しかし、最終追い切りが昨年と違っているからこそ狙ってみたいと思ったことは言うまでもないと思います。
　どの部分が変わったのか。それは「テンの入り」。時計の速くなる馬場だからこそ、テンからスピードに乗っていき、それを持続させる、もしくは更に加速させることで着順を上げていくのがこのレースだと思います。2014年ワールドエース、2015年レッドアリオンはいずれも最終追い切り場所が栗東坂路で1F目13.6秒という、14秒を切るラップでテンを入っていました。
　グァンチャーレの昨年は1F目15.0秒。これに対して、今年は1F目13.7秒。1.3秒も速くなっています。それでいながら、2F目以降は12秒台のラップを踏み続け、4F目が最も速くなる加速ラップを踏んでいます。前走はこれまでにない、追い比べから抜け出して、更に伸びるというレース内容。他が止まった分、そう見えた部分はありますが、レースぶりとしては今までにない強い走りだったと思います。
　それが追い切りの走りにも表れるようになってきました。ちなみに1F目で13秒台をマークするのはこれが生涯で7回目。そのうちの2回が最終追い切りと4月3日の追い切りということで、この中間にマークしたもの。7歳だけど7歳じゃないところがテンの入りに現れています。
　○インディチャンプは当初本命に推すつもりでした。もちろん、最終追い切りを見てもその気持ちは変わりませんでした。ただ気になったのは、4F時計です。過去3連勝はいずれも51.7秒以下の速い時計。これに対して、今回は52.7秒。さほど時計を要する馬場状態でなかったことを思えば、やはり遅い数字だと思います。その分、4F目が最速になるラップを踏めましたが、この動き方から差し遅れをイメージしてしまいます。なにせ、前走が4F時計の自己ベストを更新する時計だっただけに、それと比較しても今回はそこまでではないというのが正直なところです。
　▲ダノンプレミアムは前走を叩いたことで、乗りやすかった気持ちに落ち着きが出てきた印象を受けます。私が確認した追い切りではすべて舌を出していますし、だからといって集中力を欠いているわけではなく、力みなく走れている証拠だと解釈しています。ただ、その分、今回の距離がどうなのか。せっかくこんな気持ちで走ることができるようになった状態をあらためてテンから出していくことはしないでしょうから、こちらも道中の位置取りはポイントになるかも知れません。
　△パクスアメリカーナは今回、藤岡佑介騎手が跨りますが、そのコンビでの最終追い切りがなかなかの動き。きっちり時計を出してきましたし、状態に関しては前走と変わりないと思います。だったら、京都金杯での着差、当時の斤量差を考えると、この馬に関してはグァンチャーレが逆転する余地は大いにあると考えています。