1回京都開催最終週の芝1600m戦から、2回京都開催最終週の芝1400m戦に生まれ変わって今年で3年目。エリザベス女王杯や秋華賞組は1月の愛知杯へ、スプリント路線馬は京都牝馬Sへという形で定着してきました。
このレースが行われる京都外回りの芝1400mの舞台は、スタートしてから約200m地点で京都コース最大の名所、小高い丘を登り、後半が下り坂になるため、前半ペースがそこまで上がらないのがポイント。京都芝1200m戦ほどではないにせよ、前半ペースがそこまで上がらないことが多いのがポイント。一昨年の2着馬ワンズインザムーン(7番人気)のように、逃げ、先行馬が穴を開けることもしばしばあります。
また、先週の京都芝コースは、先々週から馬場が回復し、標準的な馬場(ただし、直線は外のほうが伸びる)。騎手が差し馬場だった先々週の意識で仕掛けを遅らせるため、スローペースのレースが連発していました。先週がやたらと前有利のレースが多かっただけに、今週は多少なりとも早めの仕掛けを意識してきそうな感はあります。
その上で、今年の京都牝馬Sは、何が何でも逃げたい馬は不在ながら、先行馬多数のメンバー構成。京都外回りの芝1400mで標準的な馬場、さらにスピードタイプの逃げ馬不在ならば、さすがにハイペースになることもないでしょう。しかし、先行馬が多数となれば、スローペースも考えづらく、平均ペースくらいが濃厚。脚質の有利不利よりも、直線の外から動ける馬を中心視したいところです。
よって、◎には、サトノダイヤモンドの半妹という超良血馬の(15)リナーテを推します。この馬は、成績が低迷していた頃もラストの脚は見せていましたが、前々走の準オープンでは上がり32秒4の脚で快勝。また、前走のターコイズSは、2歳時以来の重賞挑戦でしたが、勝ち馬と0.3秒差(7着)と、ここに来ての充実度を感じさせる走りでした。外枠を引き当てた今回は、末脚を生かす競馬で能力を発揮する公算大でしょう。ディメンシオンの取消によって、PP指数の能力値も5位にランクインしています。
○は、全てメンバー最速の上がりで、昨年のサマーマイルシリーズを制した(11)ワントゥワン。この馬は、短距離戦だと序盤に置かれる面はありますが、平均ペースの前提で末脚が優る馬ならば、さほど問題ないはず。外目の枠も好ましく、対抗評価としました。
▲は、昨年のこのレースでは、前が有利な流れをメンバー最速の上がりを駆使して2着に追い込んだ(10)デアレガーロ。この馬は昨年のこのレース以降がひと息ですが、立て直されての今回は巻き返しに期待しました。
以下特注馬として、芝1400mでは2戦2勝の(18)カイザーバル。この馬は、前走のターコイズSでは、前崩れの流れに恵まれながらも、追い込み届かずの12着でしたが、着差は0.5秒差。やや距離が長かっただけで、調子落ちではないでしょう。距離ベストの今回で巻き返しを期待します。
△は、昨年のフィリーズレビューの覇者(4)リバティハイツ。前々走のポートアイランドS・3着、前走のターコイズS・2着と能力も勢いがあるだけに、内枠でも警戒が必要でしょう。
あとは、4走前から前々走まで準オープンで連続2着の(13)アマルフィコースト。時計の掛かる馬場の消耗戦となった前走・石清水Sでは、先行策で8着失速も、前走で厳しい流れを経験したことが、今回の粘り強さに繋がってくるでしょう。
他では、昨年度は3連勝目で京都牝馬Sを制し、4連勝目で阪神牝馬Sを制した(14)ミスパンテール。この馬は、昨秋の府中牝馬Sやエリザべス女王杯では凡退していますが、距離が長かった分もありますが、調子落ちの面も否めないでしょう。前走のターコイズSは、勝ったものの、ハイペースの後方、最内を立ち回り、完璧にハマったのも確か。それでいて上位人気となると、素直に食いつけないので狙い下げました。
最後にペースが落ちついて前有利の流れとなった昨年の鞍馬S(オープン)で、4コーナーの外から動いて勝ち馬ティーハーフに0.1秒差(3着)まで迫った(14)カラクレナイ。この馬は芝1400m戦だと序盤で置かれて、展開や進路取りに左右されてしまうので、芝1400mがベスト。一昨年のフィリーズデビューの覇者でありながら、古馬になってからは、芝1400mでも結果が出せていませんが、全て休養明け好走後の2戦目に使われているの理由でしょう。距離ベストの今回は、近走以上のレースに期待します。