この時期の３歳馬は非常に難しく、夏を越して急成長する馬、逆に夏を超えても成長せずに下降線をたどる馬もいる。つまり、春の実績は思いの外参考にならないというわけだ。例えば、ジャスタウェイは今でこそ世代最強レベルの評価を与えられているが、ダービーでは１１着、その時の評価も中堅マイラーレベルだった。とはいえ、関係者でもない限り我々素人では夏の成長を見ることは不可能。そこで重宝するのが春先と現在の写真を見比べられるフォトパドック。そんなフォトパドックでひと際よく見えたのが◎グレイルだ。馬格が見違え、黒光りする馬体はまさに圧巻。さすがはジャスタウェイを輩出した成長力に定評あるハ−ツクライ産駒と言った感じ。とはいえグレイルはファンの間では非常に掴みづらい存在になっているのではないか。連勝で京都２歳Ｓを制した後、断然一番人気に推された共同通信杯で７着と大惨敗したと思いきや皐月賞で差の無い６着と好走。と思えばダービーで１４着。しかし、この大惨敗した両レースにはある共通点が。そう、東京であること。この馬は東京もしくは左回りが極端に苦手ということではないのだろうか。そうだとしたら、こうも分かりやすい馬はいない。そもそも右回りならば高いパフォーマンスを発揮している馬で、今回は皐月賞差の無い６着の舞台でもある中山。メンバーは揃ったが、急成長で一気に勢力図を入れ替えだ！