• 東京芝1600Ｍ、良馬場想定。先週は高速馬場の様相で、1600Ｍ戦でも２勝クラスで1.32.3、未勝利戦で1.33.2と水準以上の時計を記録した。
• コース特性から、上級条件戦ではラスト３Ｆ上位勢の好走傾向が顕著。上位の決め手を持つ馬を有力視。
• 枠の内外では顕著な外枠有利。人気馬の内枠は鬼門。

 

過去10年間で前走皐月賞、桜花賞、アーリントンカップ、ニュージーランドTの４レースからの臨戦馬がそれぞれ２勝ずつを挙げている。今年も18頭中12頭がこれらの前哨戦からの臨戦であり、まずは路線別の過去傾向を検討する。

 

前走皐月賞

• 過去10年で前走皐月賞からの臨戦は2-1-1-9。単勝適正回収値184、複勝回収値171と好成績。
• うち、皐月賞でひと桁着順だった馬は３頭が出走し、2015年クラリティスカイ３番人気１着、2016年ロードクエスト２番人気２着、2019年アドマイヤマーズ２番人気１着と連対率100％。
• NHKマイルで３番人気以内に推された馬は、前項の３頭に加え、2014年のロサギガンティア（前走皐月賞10着）が２番人気４着。計４頭が出走し全て４着以内、連対率75％。

 

前走桜花賞

• 過去10年で前走桜花賞からの臨戦は2-2-0-13。単勝適正回収値89、複勝回収値50。
• うち桜花賞で５着以内だった馬は６頭が出走し2-1-0-3で連対率50％。うち４頭が一番人気に支持されるも1-1-0-2の成績。
• 桜花賞時の馬体重が460キロ以上だった馬は2-2-0-4とまずまずの好成績。対して460キロ未満だった馬は0-0-0-9と好走例無し。

 

前走アーリントンカップ

• 過去10年で前走アーリントンカップからの臨戦は2-0-5-23。単勝適正回収値87、複勝回収値238と複系の期待値が高い。
• うちアーリントンカップで３着以内だった馬は20頭が出走し、2-0-4-14、複勝率30％。同４着以下だった馬は21頭が出走し0-0-1-9と複勝率10％。
• アーリントンカップでラスト３F３位以内だった馬は14頭が出走し、2-0-4-8と好成績。同４位以下だった馬は21頭が出走し0-0-1-15。

 

前走ニュージーランドT

• 過去10年で前走ニュージーランドTからの臨戦は2-2-2-41。単勝適正回収値79、複勝回収値52。
• うちニュージーランドTで３着以内だった馬は26頭が出走し、2-2-1-21、連対率15％。同４着以下だった馬は21頭が出走し0-0-1-20と連対実績なし、複勝率5％。
• このローテで連対した４頭は2018年ケイアイノーテック（６番人気１着）、2022年マテンロウオリオン（３番人気２着）、2023年シャンパンカラー（９番人気１着）、同ウンブライル（８番人気２着）。いずれも馬場や展開を味方につけての激走という印象が強い。また４頭のNHKマイル以降の成績は0-1-1-33と極端な不振で、ここまでウンブライルを除くと連対実績すら無い。

 

以上の傾向から、最も信頼度が高いのは前走皐月賞組。次いで前走桜花賞組が連対率では上位も、複系馬券の期待値では前走アーリントンカップ組が上回る。前走ニュージーランドT組は馬場や展開予想により取り上げる必要はあるとしても、基本的には軽視すべきか。

 

 

◎ジャンタルマンタル

ハイレベル皐月賞の３着馬であり、上記の前哨戦別傾向分析から最有力視して当然の存在。朝日杯フューチュリティステークスを無敗で制し２歳王者となるも、同レースの上位入線馬のその後の成績不振から低レベル戦だったと疑われ、３歳初戦の共同通信杯では２着惜敗。実績に相反する低評価を受けていたが、前走の高パフォーマンスで改めて力を証明した。皐月賞ではレース前から距離は2000Ｍがギリギリと喧伝されていた通りで、川田騎手のレース後コメントも残り１ハロンで完全に止まったとのこと。好位から競馬を進めた前走よりも位置を下げて差しに回ればL3F上位の脚を繰り出す可能性が高く、距離短縮でパフォーマンスを上げて来るだろう。

 

○アスコリピチェーノ

ハイレベル世代の２歳女王にして桜花賞２着馬。阪神ジュベナイルフィリーズは勝ち時計がレースレコード、翌週の朝日杯フューチュリティステークスを1.2秒も上回る好時計で、上位３頭が４着以下を３馬身離したことや、１・２着馬が桜花賞でも着順が入れ替わってワンツーしたことを見ても高レベル。前走程度走ればここも勝負圏内。

 

▲ダノンマッキンリー

前走は内有利馬場で２〜４着馬の４角通過順が１、５、４という前残り決着を、４角14番手から大外を回して突き抜ける破格の競馬。距離短縮で折り合い、能力を遺憾なく発揮出来た。ペースが緩んだ朝日杯では掛かって力を出せなかったが、このレースは通常もう少し流れが速くなる傾向なので、この馬には好都合。

 

複穴はこのレースでの好走実績が多いストームキャットの血を持つ△ウォーターリヒト、△アレンジャー、転厩で上昇気流に乗った△チャンネルトンネル。