今年の中山は総じて好天に恵まれ、近年と比べるとまだ極端に内が荒れておらず、馬場状態が良い。それは一連の中山芝重賞の結果を見ても明らか。先週のニュージーランドTも初角5番手以内&真ん中より内枠の3頭で決着。例年差しが届く重賞でも軒並み先行馬が残っており、昨年や一昨年のように、各馬が内をあけて外を回した組が有利になるような競馬にはならない可能性が高い。
もっとも、芝2000mは中山の中では比較的外も走れて差しも届くコース。総合的に考えると…
1、今年の馬場だと外差しは決まらない。
2、とはいえ内枠の逃げ先行はさすがに厳しい。
という感じで、外過ぎない枠から、ある程度の位置につけられる馬、あるいはややインの馬群で溜められる組が有利。いずれにしても例年以上に末脚よりも立ち回り要素が強く、スタミナよりはスピード要素が強くなりそうだ。
【本命馬】◎ジャンタルマンタル
デビュー以来、とにかくセンスあふれるレースぶりが目立つ馬。デビュー戦は1800mで好位に控えて楽に抜け出し。2戦目は内が厳しい馬場だったが、地力で抜け出して勝利。G1挑戦の朝日杯でも好位から隙のない競馬でアッサリと3連勝。初の黒星がついた前走も、外枠でやや掛かり気味の追走。それでも立て直してから最後伸びて勝ち馬に迫った。共同通信杯は今年の一連の重賞の中で最もメンバーが揃った一戦で、2着とはいえ悲観する内容ではなかった。さすがにダービー…というタイプではないが、追われてからもしっかりしており、今年の馬場状態なら2000mまでは問題なくこなせそう。内過ぎず外過ぎず、馬群の中で運べそうな8番枠も絶好。持ち味のスタートセンスと立ち回りの上手さを生かして、好勝負に持ち込めそうだ。最も信頼できる軸馬として本命に狙う。
〜対抗以下&穴馬〜
対抗にはコスモキュランダ。
弥生賞は地力で動いて抜け出して押し切り。有力馬の不発があったにしても、中山適性の高さを見せた。2走前には溜めて鋭く伸びる競馬もできており、自在性のある馬。やや外の12番枠も絶好で、そこにモレイラ騎手が騎乗するとなれば前走からさらにワンランク上げて来れる。
3番手にシンエンペラー。
スケールというよりは自在性と立ち回りが光るタイプで、今年の馬場は合う。坂井瑠星騎手もすっかり大一番で怖い騎手になっており、多頭数になれば持ち味のレースセンスと鞍上の戦略力の高さが生きるシーンもある。
次点でジャスティンミラノ。
今年は共同通信杯に特に素質馬が揃っており、その中でキャリア1戦ながら抜け出した内容は濃かった。見た目以上に自在性があるのも強み。枠も絶好。
怖いのはミスタージーティー。
使うごとに鋭さを増しており、前走は上手く回って来れた面もあるが、大一番で怖いスケールを感じる走り。荒れた馬場も問題なさそうだし、ホープフルSは捌ければ突き抜けるくらいの手応えがあった。上手く回って来れれば怖い。
穴ならサンライズジパングにも警戒。
ホープフルSは大穴での3着だったが、外に振られるシーンがありながらもしぶとく伸びていた。次走は楽勝で、想像以上に成長力がありそうなタイプ。菅原明騎手も怖い。
アーバンシックはゲートも含め器用さがない点がどうか。ただこの舞台で横山武史騎手が騎乗できるのはアドバンテージ。
レガレイラは前走鋭く伸びて差し切り勝ち。ただルメール騎手の得意パターンだった面もあり、ゲートの不安やルメール騎手が乗れない不安はある。
押さえでダノンデサイル。
横山典騎手が手の内に入れているのは強み。上手く先行、あるいは馬群に入れる競馬をしてくる可能性があり、一枚押さえには加えたい。
逆に危ういなと感じるのはメイショウタバル。
楽に逃げ切った毎日杯だが、馬場や枠など様々な面が向いたのは間違いない。距離延長、内枠で、自分の競馬ができるかは疑問。本質的にはスピードタイプで、逃げ切った後の距離延長は危険。
ビザンチンドリームも派手さはあるが器用さが皆無。今年の馬場だと外差しは利きづらく、鞍上も工夫できるタイプではないので、ココは鋭く伸びて来ても届かない可能性が高い。
〜その他の馬〜
エコロヴァルツ
→溜めたときの強烈な決め手は非凡なものがあるが、反面掛かるタイプなので距離延長でどれだけ脚を溜められるかがカギ。内枠は歓迎。馬群で上手く溜めてひと脚使えるかどうか。
シリウスコルト
→相手なりに走れるタイプだが、前走にしても最後は差された。さらなる相手強化を考えるとワンパンチ足りないか。展開向いてどこまでやれるか。
アレグロブリランテ
→前走楽に先行できたし相手も弱かった。距離延長と相手強化では厳しい。
ルカランフィースト
→父イスラボニータ譲りのセンスの良さと鋭さを秘めた馬だが、距離延長&相手強化で厳しいか。
ホウオウプロサンゲ
→相手なりに走れるタイプで上がり掛かる小回り向き。ただ、スローで逃げた前走もラストは粘り切れず2着。さらなる相手強化&最終週の馬場を考えると見せ場以上までは厳しいか。
サンライズアース
→2戦2勝。ともにゲート遅めも道中盛り返して押し切る、粗削りながら底知れぬ内容。ただ、少頭数や相手関係に恵まれた面もあった。一気の相手強化&多頭数でどこまでやれるか。外枠は歓迎で中山重賞怖い鞍上も…善戦まででは。
ウォーターリヒト
→長くいい脚を使えるタイプなので唯一勝利を挙げている2000mは悪くないと思うが、近走から相手はだいぶ強くなる。馬群で道中は溜めて…が理想なので一発狙う立場としては大外枠も割引。今回は苦戦濃厚。
〜買い方〜
◎ジャンタルマンタルから3連複本線で勝負。