芝3400mという特殊な条件でもあり、ヨコの比較が難しいダイヤモンドS。ときに大波乱ともなるレースだが、今年は10頭と少頭数になったことや出走馬の能力比較から、かなり堅めの決着になると予測している。このメンバーならば、ハンデ戦でも斤量49キロの03トロピカルライトが突っ込んでくるような結果にはなるまい。
本命◎は08サリエラ。前走は京都・エリザベス女王杯に挑戦するも、後方追走から直線で差を詰める「だけ」の競馬に。乗り方ひとつで上位争いも可能と思っていただけに、あの騎乗には正直なところ失望した。鞍上がC.ルメール騎手に戻るのは大きなプラスで、G1で差のないレースができるのだから、能力自体もここでは上位。兄のサリオスとは違って長距離向きのタイプに出ているので、この条件でもとくに不安はない。
対抗○は09テーオーロイヤル。収得賞金900万円の馬が出走しているようなメンバー構成にあって、本馬の長距離実績は図抜けている。長距離戦の最高峰である天皇賞(春)でも3着に好走しているのだから、トップハンデ58.5キロを背負うのも当然。故障などもあって一時は調子を落としていたが、前走の中山・ステイヤーズSで2着に好走してようやく復調気配。順調に使える今回は、この馬らしい走りが期待できそうだ。
単穴▲は05ワープスピード。この組み合わせだと、本馬が思いきって逃げるケースが十分に考えられる。オープンでの好走実績はまだないが、前走の中山・ステイヤーズSで4着に食い込めたのは大きな収穫。長距離適性の高さは証明済みだったが、その地力も重賞で通用すると証明できた。東京芝適性の高さは大きな魅力で、前走から斤量が1キロ減となるのもプラス。気配も良好で、乗り方ひとつで勝ち負けに持ち込めておかしくない。
もう1頭の上位評価組△は07ハーツイストワール。G1やG2ではいい結果を出せなかったが、ここまで相手関係が楽になれば、見直す価値は十分だろう。3勝をあげている東京替わりは間違いなくプラスで、斤量は背負い慣れた57キロ。現在の馬場で後方待機策だと厳しいだろうが、そのあたりは鞍上の田辺ジョッキーも心得ているだろう。この頭数ながら、中団で流れに乗るような競馬ができるはずである。
以上、メチャクチャ堅めの印となってしまったが、コレという穴馬が見当たらないのだから致し方なし。こういったレースで無理やり買い方をひねっても好結果にはつながらないとみて、推奨買い目もいたってシンプルに◎−○▲△の馬連3点とした。「ハンデ戦だから」「混戦模様になりがちな長距離戦だから」といった理由で穴馬に流れる票を、この平凡な買い目でしっかりと受け止めるイメージ。拾えるものはしっかり拾う──といったスタンスの馬券である。