日経賞は天皇賞(春)の前哨戦。日経賞は土曜日に行われることもあってやや注目度が低いですが、2014年の天皇賞(春)では日経賞上位馬が1〜3着を独占するなど、阪神大賞典と同様に天皇賞(春)へと繋がっています。昨年より大阪杯がG1に格上げされたことにより、今後はより大阪杯組が天皇賞(春)で活躍する可能性もありますが、穴メーカーとなるのは阪神大賞典や日経賞の上位馬のはず。
また、日経賞は有馬記念と同じアップダウンの激しい中山芝2500m(長距離)で行われるため、しばしばスローペースが発生します。しかし、同じスローペースでも下級条件は単調なスローペースになることが多いのに対して、上級条件は中山の短い直線を考慮して仕掛けのタイミングが早くなります。(日経賞の過去10年を見ても、単調なスローペースになったのは、ゴールドアクターとサウンズオブアースがハナを揺すり合った一昨年くらい)
差し、追い込み馬は、向こう正面の下り坂である程度勢いに乗せて、3〜4コーナーの外から位置を押し上げてくる傾向があるため、前も早めに動いてスタミナが問われるレースになることがしばしば。つまり、ある程度の長距離適性も問われるので、昨年のディーマジェスティのように長距離適性に疑問がある馬が通用することは、ほとんどないでしょう。
また、昨年のこのレースで前年の有馬記念の3着馬ゴールドアクターや前年の菊花賞の2着馬レインボーラインが1〜2番人気に支持されてぶっ飛んだように、今回が始動戦の馬は苦戦しています。そもそも前哨戦は、実績馬にとっては叩き台のため、人気に応えられないことがままありますが、スタミナが問われるレース、長距離戦ほど取りこぼし率がアップする傾向。今回出走の香港組は格上ですし、ゼーヴィントも抜群の安定感を見せていますが、それでもレースを順調に使われている馬を本命にするのがベストでしょう。
よって、◎には、芝路線に転向してからの充実度が素晴らしい(12)ガンコを推します。この馬は準オープンの身で挑んだ前々走・日経新春杯で3着と善戦、その勢いで前走の松籟Sも圧勝しました。前々走の日経新春杯では、最後の直線序盤で逃げて死んだブリのロードヴァンドールを2番手から負かしに動いて、半ばでは返り打ちに逢いました。正直、ダサい負け方でした。
しかし、その教訓を生かして、仕掛けを遅らせる意識が出来上がり、前走では圧勝。今回も逃げるロードヴァンドールを負かしに行く競馬をしないと見ているので、上位争いを期待しました。また、ロードヴァンドール自身が前走で自己ベスト指数をマークした後の一戦となるので、前走と同様のパフォーマンスでは走れないと見ています。
○は、昨秋の神戸新聞杯では2着、菊花賞では道悪の消耗戦を味方に優勝した(14)キセキ。前走の香港ヴァーズでは、菊花賞好走のダメージで9着と凡退しましたが、立て直されての今回は巻き返しが期待できるでしょう。しかし、そうは言っても、目標はこの先の天皇賞(春)。ここは割引が必要です。
▲は、未勝利戦を勝ってからは3着以下を外していない(9)ゼーヴィント。特に追い込み馬となってからの近2走が素晴らしく、昨年のAJCC・2着、七夕賞・1着。この馬は前半で無理をさせないほうがいい馬ですが、道中で動いて最後までバテないしぶとさがあるので3番手評価としました。あとは長期休養明けがどうかでしょう。
以下特注馬として、中距離路線を中心に使われていた馬でしたが、神戸新聞杯以来の芝2400m戦となった前走・日経新春杯で勝ち馬とクビ差の2着に好走した(4)ロードヴァンドール。前走は単騎で逃げられましたが、最後にガンコを振り切るもう一脚が使えたことが、この馬の強さを裏付けるもの。ただし、今回は前走のように楽に逃がしてもらえない可能性もあるので特注馬の扱いとしました。
あとは△に初勝利まで6戦、2勝目までまた4戦も要したものの、ここへ来て1000万下、準オープンを連勝し、ようやく勢いに乗った(3)チェスナットコート。また、この馬は前に行ける脚がないので、ペースが上がりやすい上級条件のほうが向いているとも言えます。レースを順調に使われている強みもあり、侮れません。
他では昨秋のアルゼンチン共和国杯・2着馬で、前走のダイヤモンドSでも3着と好走したステイヤー(15)ソールインパクト。前が有利の決着となった前々走・日経新春杯では11着に凡退しましたが。レーズが流れればここも上位に来られるでしょう。