東京11Rダービー(B~C)
[印]
◎5ソールオリエンス
〇12タスティエーラ
▲2スキルヴィング
△6ショウナンバシット
△10シャザーン
△14ファントムシーフ
≪単勝◎(74%)、馬連◎→〇(8%),▲(8%),△6(2%),△10(4%),△14(4%)≫
[見解]
ダービーについて、「最も運のある馬が勝つ」・「ダービーポジション(第1コーナーを前方で回らなければ勝てない)」という競馬ファンなら誰しも耳目に触れたことがあるだろう古い格言があります。
それは、かつて今よりもフルゲート頭数が遥かに多い設定(最大28頭立て)だった時代に言われた話ですが、それが18頭までとなった近年においても同様のことが言えました。実際に12年から19年までの間で、最も人気薄で馬券に絡んだ穴好走馬は「1~2枠」または「4角1~2番手」に該当していた馬のみで、枠順とレース展開に恵まれた幸運による激走劇だったというのが真相でした。
しかし、20〜21年にかけて潮目が変わり、今となっては「運よく最も前で恵まれた馬が激走する」レースではなく、「最も秀でた末脚を発揮した強い馬が激走する」レースへとガラリと転換したと見ています。それは、東京コース自体が20年を境にして、一にも二にも末脚がモノを言う馬場、平たく言えば差し追い込み有利馬場になっているという馬場変化に起因します。20年以降のダービーを振り返っても軒並み差し決着となっており、20年に穴をあけたヴェルトライゼンデと21年に穴をあけたステラヴェローチェは、19年以前の穴好走馬とは真逆で外目から差す競馬で激走を果たしました。22年に穴をあけたアスクビクターモアは内枠の先行馬でしたが、その後の実績(菊花賞勝利)からも「運よりも実力」で掴み取った激走と見るべきです。
また、19年以前の穴好走馬の大半はダービーのトライアルレース組から輩出されていましたが、20年以降の上記3頭は全て皐月賞組でした。早期育成が主流となっている今となっては、強い馬というのは皐月賞に間に合うように早い段階から実績を積んでいるものなので、皐月賞とそれに間に合わなかった馬同士のレースになるダービーのトライアルレースを比較すると、以前よりも更にレベルの差が大きくなっているということが言えるはずです。
結論としては「強い馬」・「差し馬」・「皐月賞組」を重視すべきなのが今のダービーで、それに寸分の狂いもなく当てはまるソールオリエンスを本命馬とします。
ソールオリエンスの父キタサンブラックの産駒は基本的に広いコース向きで、全コースの中でもこの東京コースで最も好成績を挙げています。逆に狭いコースの中山内回りコースを鬼門としており、皐月賞の舞台条件である中山芝2000mでは延べ27頭中3頭しか好走できておらず、そのほんの一握りの好走例はイクイノックスの皐月賞2着とソールオリエンスの京成杯1着と皐月賞1着でした。先例のイクイノックスのその後の快進撃からも、キタサンブラック産駒にもかかわらず中山内回りコースを攻略した馬は大物である可能性が高いということが言えます。そのソールオリエンスにとっても、中山内回りコースの皐月賞よりも東京コースのダービーの方が敷居は低いはずで、二冠を成し遂げる可能性が高いと見ます。
上述した「強い馬」・「差し馬」・「皐月賞組」の他に、ダービーで重視すべきは「ノーザンファーム生産馬」です。
これまでの3歳世代牡馬戦線でノーザンファーム勢の活躍が目立たない理由としては、実際に育成の遅れからデビュー&勝ち上がりが後ろにズレ込むなどのノーザンファーム勢自体の内的要因と共に、これまでに行われた一連の重賞競走(3歳世代牡馬戦線)がノーザンファーム勢向きのレースに中々なっていなかったという外的要因も見逃せません。
ノーザンファーム勢向きのレースというのは最もシンプルに言えば時計勝負の高速決着戦で、実はこれまで行われた3歳重賞競走でも高速決着となったレースの大半ではノーザンファーム生産馬が勝利を収めています。それでいてノーザンファーム生産馬が振るわない様に見える要因としては、天候に恵まれないことが多くノーザンファーム勢に不向きなレース(非時計勝負の低速決着戦)ばかりとなっていたせいで、運悪く本来出せるべき結果を出せていなかったという可能性が考えられます。
一冠目の皐月賞も悪天に見舞われて重馬場での施行となりノーザンファーム勢が力を出しづらいレースとなり、勝ち馬を含めて上位4頭中3頭を非ノーザンファーム勢が占めるという決着となりましたが、好天で高速馬場での施行となるダービーではノーザンファーム勢の巻き返しがあって良いはずです。
それに該当するのは皐月賞2着タスティエーラ・皐月賞5着ショウナンバシット・青葉賞1着スキルヴィングですが、タスティエーラは折り合い面を気にする必要が出てくる距離延長ローテだと勝ち切りづらいレーン騎手騎乗という点で、ショウナンバシットは血統的には中山道悪がドンピシャだった点で、スキルヴィングは巷で言われる様なローテが詰まる面での難点がある点で、非ノーザンファーム生産馬の本命馬を上回るまでの強調材料が全揃いというワケでなない分で対抗以下に並べる形としました。
あとは前走皐月賞は太目残りでの6着止まりでしたが攻め強化で馬体絞れて更に走れて良いシャザーンと、皐月賞では落鉄の影響も大きかった可能性があるファントムシーフまで押さえます。