ラップギアコース適性値【瞬８平２消０】に近い比率の馬が有利
番馬名　　　【ラップギア】瞬発指数
01マテンロウ【瞬２平３消０】１０８
02ウインカー【瞬５平５消０】１０９
03ダノンザキ【瞬２平１消０】１０９
04シュネルマ【瞬５平２消０】１１５
05サリオス　【瞬４平３消０】１１７
06ソダシ　　【瞬３平５消０】１１５
07ジャスティ【瞬７平１消０】１１１
08ロータスラ【瞬５平４消１】１０７
09ピースオブ【瞬１平２消０】１０４
10セリフォス【瞬４平１消０】１１４
11ソウルラッ【瞬１平５消０】１１２
12ホウオウア【瞬５平１消１】１０５
13エアロロノ【瞬４平３消０】１０６
14ベステンダ【瞬９平７消０】　９８
15ダノンスコ【瞬４平０消０】１１３
16ハッピーア【瞬１平３消１】　９６
17ファルコニ【瞬６平４消０】１０７



京都競馬場が改装中のため、今年も阪神競馬場で施行されるマイルチャンピオンシップ。阪神芝の１６００メートルと言うと いわゆる桜花賞コースなのだが、３歳牝馬限定の桜花賞ほどヌルい流れにはならず、桜花賞平均より 全然速いペースで推移することになる。

ただ それでも全体の質が上がったというだけで、流れ自体は桜花賞と変わらず。たとえば２００７年以降の桜花賞では「１６００メートルの距離を上がり３３秒台で勝った馬」を重視すべきだと主張しているのだが、今年の（阪神開催）マイルチャンピオンシップも それに則した考え方で間違いはないと思う。

古馬のＧ１ともなると「１６００メートルの距離を上がり３３秒台で勝った馬」は珍しくもないのかと思いきや、例えば今年の出走馬で言うと
(１)マテンロウオリオン
(４)シュネルマイスター
(８)ロータスランド
(９)ピースオブエイト
(11)ソウルラッシュ
(12)ホウオウアマゾン
(16)ハッピーアワー
(17)ファルコニア
といった辺りは、その実績を持っていない。(４)シュネルマイスターなんかは１８００メートルを３３秒０で勝っていたり、３４秒０で１６００メートル・Ｇ１勝ちなど、「もうこれクリアだろ」みたいな成績なのだが、意外と言えば意外なところだ。

もう少し突き詰めて考えるなら、やはり「１着時の上がり３ハロンタイム」が速い馬か。過去２年「阪神芝１６００メートル」のマイルチャンピオンシップを連覇したグランアレグリアは これが３３秒５だったし、自分の中ではイメージ的にも かなり合致する。

■マイルＣＳ出走馬、１着時の上がり３ハロンタイム中央値
(10)セリフォス　　　　　33秒3
(７)ジャスティンカフェ　33秒7
(５)サリオス　　　　　　33秒8
(15)ダノンスコーピオン　33秒8
(13)エアロロノア　　　　33秒9
(８)ロータスランド　　　34秒1
(12)ホウオウアマゾン　　34秒1
(17)ファルコニア　　　　34秒1
(１)マテンロウオリオン　34秒2
(６)ソダシ　　　　　　　34秒2
(４)シュネルマイスター　34秒3
(９)ピースオブエイト　　34秒4
(14)ベステンダンク　　　34秒4
(11)ソウルラッシュ　　　34秒5
(16)ハッピーアワー　　　34秒6
(２)ウインカーネリアン　34秒7
(３)ダノンザキッド　　　34秒7
※芝限定。平均値ではなく、中央値。
※中央値とは、順位が中央である値。中央値とは、データを小さい順（または大きい順）に並べ、真ん中に来る値のこと。こういった場合には平均値よりも中央値が相応しいのではないかと。たとえば『2、3、85』の平均値は30、中央値は3になります。



(10)セリフォスは３歳馬。今年の３歳馬については
https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=51994
のコラムで少し触れたのだが、古馬に対して かなり好成績を残しているという状態。その後
マテンロウオリオン　スワンＳ７着
イクイノックス　　　天皇賞秋１着
ダノンベルーガ　　　天皇賞秋３着
ジオグリフ　　　　　天皇賞秋９着
キラーアビリティ　　アルゼン８着
オニャンコポン　　　福島記念４着
と進んで少し率を落としたのだが、それでもまだ十分な好成績。３歳馬は積極的に買うに値する。

■3歳牡馬(+セン馬)の同年古馬混合芝重賞複勝率
1986年　40％
1987年　21％
1988年　24％
1989年　17％
1990年　16％
1991年　21％
1992年　14％
1993年　24％
1994年　25％
1995年　33％
1996年　22％
1997年　35％
1998年　31％
1999年　17％
2000年　19％
2001年　27％
2002年　25％
2003年　21％
2004年　23％
2005年　16％
2006年　25％
2007年　23％
2008年　22％
2009年　15％
2010年　47％
2011年　29％
2012年　24％
2013年　17％
2014年　15％
2015年　24％
2016年　30％
2017年　27％
2018年　27％
2019年　20％
2020年　21％
2021年　54％
2022年　44％　←　いまここ
※いずれの年も有馬記念 前週までの成績
※2022年は11月18日現在の数値


３歳馬というと避けて通れないのが(10)セリフォスと(15)ダノンスコーピオンの斤量差問題。具体的には前走が同じ富士ステークス（Ｇ２）で、５４ｋｇ対５６ｋｇ。そこでの０．１秒差が、同じ５６ｋｇ対５６ｋｇの今回逆転するのではないか という話だ。

一般的には「１ｋｇ≒１馬身≒０．２秒」と言われていて、それなら(15)ダノンスコーピオンの０．１秒負けは、今回０．３秒勝ちになるという論法。たしかに斤量については個人的にもそれに近いような印象は持っているのだが、それでも ここは「１着時の上がり３ハロンタイム」３３秒３と３３秒８の差（０．５秒差）を重視。ここは迷いなく、富士ステークス（Ｇ２）と同様に(10)セリフォス本命で行けると考える。(４)シュネルマイスターや(６)ソダシではなく、(10)セリフォスを推すのは、京都ではなく阪神の芝１６００メートルである からこそ。


指数最高値の(５)サリオスは、毎日王冠（Ｇ２）では「ここで買わずにどこで買う？」という意気込みで大推奨していたのだが、ここで再びマイルを使ってくることに大きく落胆した。３歳時から２年間繰り返してきた「サリオスはマイラーではないので、マイルでは買わない」、これを また言うことになるなんて。物凄く強い馬なのに、本当に勿体ない。


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■斤量についてのショートコラム

　自重450kgを超えるサラブレッドにとって、1kgや2kgの斤量なんてあまり関係ないのではないかという意見もありますね。パドックでボロでも出せば1kg以上変わることもあるのだし、競馬を始めた当初、そのように考えていた時期が自分にも ありました。

　しかし、自重と斤量(自分の身体と外的重量)は根本的に違うのです。たとえば人間の徒競走、“10円玉を40枚入れた袋”を持って走るとしますね。10円玉は40枚で180グラム。体重70kgの人間にとっての180グラム、これが450kgの馬に対する1kgの斤量と似たような比率になります。しかも両手のコブシに握りこむのではなく、コンビニ袋なんかを手からぶら下げて走るとすると、かなり走りづらいイメージが出来上がると思います。


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※【ラップギア】とは、各レースラップのラスト４ハロンのみに注目した適性分析です。ＪＲＡ発表のラップタイムを一定の公式に当てはめ、誰でも簡単に算出することができます。数値が大きければ良いというものではなく、コース適性値と“比率”の近い馬が有利だと考えられます。

※　瞬発指数は、“走破タイム”を一切考慮せず、ラップタイムを一定の公式に当てはめて算出した競走馬の能力値です。数値は全階級に対しての絶対値であり、下限70〜上限130辺りだと考えられます。競走馬の能力は変動相場であり、１走ごとに変化します。