中京芝1200mは３〜４コーナーがずっと下り坂になっており、言わば後続馬が前にとりつきたいところで前もペースアップするというコース形態。特に古馬G１の高松宮記念で先行有利になるのはこれが理由で、よほどハイペースになるか馬場が荒れない限りは、外から差す競馬は至難の業。
ただし、葵Ｓは古馬G１とは違い、まだ体力のつき切っていない３歳馬でしかも出走馬の多くは２勝馬。先行馬有利とはいえ、金曜日までの雨で渋った馬場、長い直線、急坂とタフな条件がそろったこのレースは差し馬の台頭にこそ注意が必要だろう。
また渋った馬場、急坂を考えると、血統的にはスピードを強調した馬よりもパワーを強調した馬のほうが狙い目で、これらを踏まえて本命はシゲルファンノユメ。父ディーマジェスティはディープインパクト産駒ながら母父ブライアンズタイムの影響を色濃く受けた産駒が多く、本馬自身、急坂コースの中山芝1200mで良績を挙げている。またディーマジェスティ産駒はトレーニングセールで破格の時計をマークしており、仕上がりの面からも体力的に優位に立てるのも好材料だ。