今年もマキャヴェリアンと心中する季節がやってまいりました。何度騙されても阪神開催が続く限り狙い続けなければならない宿命を背負っています。悲しい。今回買うのは2頭。ダークペイジとラブリイユアアイズです。

ダークペイジは欧州からの持ち込み馬。母のグレイトペイジはサドラーズウェルズの3×3というドぎついクロスを持っており、これを短距離向きのサイアーラインで引き延ばしたのがダークペイジです。父は短距離路線での活躍馬を多数輩出するダークエンジェル。ノーザンダンサー系の中でも、サドラーやニジンスキー、ダンチヒなどを経由しないトライマイベスト系に属する血統です。近代では数が減ってしまったものの、ラストタイクーン（キンカメやサンテミリオンの母父）などもトライマイベスト系なので立派な名血統ではあるんですけどね。マルジュ産駒のサトノクラウンも活躍しましたし。

このトライマイベスト系は代を経るごとに短距離路線での活躍が目立っていき、ラストタイクーンのほうはオセアニアの短距離路線。そしてダークペイジにつながるワージブ→ロイヤルアプローズ→アクラメーション→ダークエンジェルのラインは欧州の短距離路線で活躍しています。例を挙げるとバターシュ。3歳でアベイドロンシャン賞を制し、以後5ハロン戦で無類の強さを誇ったこの馬もダークエンジェルの産駒。香港のマイル路線でゴールデンシックスティやビューティジェネレーションと鎬を削っているワイクク（父ハーバーウォッチ）など同じ父系に属しています。

そういうわけで、もともと仕上がりの速い短距離血統を引いているという点で、ダークペイジが小倉の新馬戦を楽に勝ち上がったのは納得でした。前半35秒という新馬戦特有のスローペースをモノにした勝利。その後、りんどう賞では1ハロン伸ばして2番手追走からまたもや快勝。さらに1ハロン伸ばしてどうなるか、というところですが、元来後傾ラップになる阪神JF（レシステンシアが逃げ切った年などは例外ですが）において、この距離延長への対応力はG1でも通用するものだと思っています。まあ、なによりもダークエンジェルの母父がマキャヴェリアン、ってのが一番なんですけどね……。

ラブリイユアアイズはロゴタイプ産駒。ロゴタイプからもいきなり良い馬が出てきましたね。もともとローエングリンに米国型の外付けエンジン（というかリズンスター）を積み込んだ前傾ラップ上等！という感じの配合馬だったロゴタイプですが、まさかそこにもう一度欧州牝系を突っ込んだ結果こういう馬になるとは思いませんでした。インザウイングスの4×4、かなり衝撃。札幌での連勝を見る感じ、前傾ラップへの対応力を父から。しっかり脚を残す強みを母系から受け継いでいて、阪神JFにかなり向いているなと感じました。まあ、こちらも母父ヴィクトワールピサを持っているのが一番なんですけどね……。

というわけで今回も単複2頭で参ります。