ダービートライアルにも共通した事情だが、オークストライアルに「ここでひと叩きして本番にピーク」という組み立てで臨む馬は圧倒的に少ない。本番でっも勝ち負けというレベルの素質馬は桜花賞までの段階で賞金的にも間に合うのが通常。特に牝馬路線では桜花賞と同日に距離が長めの忘れな草賞がある。やや遅れてきたオークス向きの大物は、ミッキークィーンやラヴズオンリーユーがそうであったように、そこを完勝してオークスに臨む。　今年のメンバーではウインアグライアが唯一賞金的な安全圏で、ユーバーレーベンがボーダー付近で微妙。他は「何とか権利を取ってクラシックへ」という出走だ。その構図通り大半がメイチを狙った調整過程で臨んできている。　中でも仕上げきっているのがスライリーだ。21日美浦Ｗは馬なりの単走だが、動いている最中でもトモの側面に、筋肉の分かれ目である縦線がはっきり見える。腰回りは皮下脂肪が最後まで残る位置だが、ここを絞りきってきているのはこの１戦への勝負駆けの姿勢をうかがわせる。動きとしても小柄でも腰の支点が安定しており、四肢がしなやかに回っている。　ユーバーレーベンは権利取りがかなわずともオークスに滑り込める可能性があるが、ここでの２着条件は賞金的にオークス後にも利いてくる。しっかり攻め込んでいた。21日美浦坂路併走は体軸がやや右に寄っているがその位置でぶれず、腰回りも厚みを保ったまま表層をしっかり絞り込んでいた。エトワールマタンの21日美浦Ｗ単走も腰回りの充実度が目を引く。スノークォーツのダイナミックな身のこなしも目を引くが、肩が大きく回る分、連動して背中がややぶれる。一発あってもと悩むが、軸勝負には踏み切りづらかった。/好調教馬をピックアップ