馬券の軸としては、昨年のこのレースの勝ち馬で、前哨戦のドバイシティオヴゴールドでは直線で進路がなくなる不利がありながら2着に来たポストポンドの信頼性が高そうだが、単勝を買ってみたいのは、3歳の頃から管理するJ・ゴスデンが「古馬になったらもっと良くなる」と明言していたジャックホブスである。
【“合田流”海外馬解説】
◎ジャックホブス…
英国産・英国調教の5歳牡馬。3歳時にはG1愛ダービー(芝12F)を制している他、G1英ダービー(芝12F10y)でも2着に好走。4歳初戦のG2ジョッキークラブS(芝12F)で競走を中止した後、骨盤骨折が判明して休養。5か月半の休養を経て出走した、昨年10月のG1英チャンピオンS(芝10F)はアルマンゾルの3着だった。管理するJ・ゴスデン師が3歳時から、古馬になればもっと良くなると明言しており、今季はその真価が問われるシーズンとなる。
〇ポストポンド…
愛国産・英国調教の6歳牡馬。昨年のG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)勝ち馬。その後、欧州で、G1コロネーションC(芝12F10y)とG1インターナショナルS(芝10F88y)を制覇。3競走においていずれもレイティング124を獲得し、ワールドランキングの第8位タイに入っている。今季初戦となった前走G2ドバイシティオヴゴールド(芝2410m)では、直線で進路が狭くなる不利があり、プライズマネーの2着に敗れている。
▲セブンスヘブン…
愛国産・愛国調教の4歳牝馬。2歳時は2戦して未勝利に終わった後、3歳初戦で初勝利を挙げると、続くLRオークストライアルS(芝11F106y)も連勝。G1英オークス(芝12F10y)は6着に敗れたが、続くG1愛オークス(芝12F)でG1初制覇。更にG1ヨークシャーオークス(芝12F)では古馬のファウンドを破って2つ目のG1制覇を果たしている。3歳最終戦となったG1BCフィリー&メアターフ(芝10F)は、小回り馬場が合わずに5着に敗れた。ドバイシーマクラシックは過去10年で牝馬が4勝しているだけに、侮れない1頭。
△サウンズオブアース…
日本産・日本調教の6歳牡馬。3歳4月に阪神で500万下のはなみずき賞(芝2000m)で2勝目を挙げて以降、14戦して未勝利。それでいて、3歳秋にはG1菊花賞(芝3000m)2着、4歳暮れにはG1有馬記念(芝2500m)2着、5歳秋にはG1ジャパンC(芝2400m)2着と、超一線級を相手に堂々互角の勝負を繰り返している。国内では突き破れぬ殻を、ドバイという異空間で打破することを目論んでいる。
△ハイランドリール…
愛国産・愛国調教の5歳牡馬。3歳時にG1セクレタリアトS(芝10F)とG1香港ヴァーズ(芝2400m)。4歳時にG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝12F)とG1BCターフ(芝12F)と、世界3か国で4つのG1を制している。行く馬がいなければ、自らペースを作ることも出来る強みがある一方、昨年のこのレースで4着に敗れているように、春先は調子が上がらない傾向がある点には留意したい。
※(編注)コラム「【ドバイシーマクラシック】“世界の合田”が出走馬を全頭解説」では海外馬全頭の解説がご覧になれます。ぜひこちらもお楽しみください