ダ1400mの重賞は、交流重賞ならば数あれど、中央で行われるのは冬の根岸Sと夏のプロキオンSのみ。さらに中央のダ1400mは、東京、京都、阪神、中京と中央4場で行われていますが、スタート地点がダートなのは根岸Sのみなので、交流重賞組はもちろん、今年のラブバレットのように地方競馬から挑戦してくる馬もいます。例年、登録馬が多く、過去10年ともにフルゲート16頭立てで行われています。
また、東京ダ1400mは、芝スタートではありませんが、向こう上面の2コーナーよりからスタートして、3コーナーまでのストレートが長いこともあり、ペースは極端ではないにしても上りがち。ただでさえ、スプリント路線馬よりもマイル〜中距離路線馬のほうがレベルが高いというのに、スプリント路線馬がレースを引っ張っていくことになるので、ペース以上に前が残れていないという現象が起こっています。
根岸Sの過去10年を見ても、逃げ馬の勝率はゼロ。唯一、連対したのはタイセイアトムのみですが、この年は雪が降って日曜日から月曜日に代替えされ、不良馬場だった上に、2列目を追走していたトウショウギアが故障して、有力馬がことごとく後退する不利があったので、例外と考えても良さそうです。基本的に差し馬有利です。
ただ、今年は逃げ馬のコーリンベリーは出負け癖のある馬。またノボバカラはカペラSのように、スタート地点の芝で勢いに乗せて行くタイプで、ダートスタートだとそこまでテンが速くないタイプ。大方の想定を裏切ってスローペースになっちゃった…ということも考えられなくはありません。
それでも土曜日のダ1600mの準オープンでハイペースよりの平均ペースで1分37秒4を要したことを考えれば、差し馬を中心視したほうがいいのではないでしょうか。馬場がタフなので、基礎能力が高い馬が勝ち負けするでしょう。
よって、◎には、根岸Sは初出走になりますが、中央のダ1400mでは2014-2015年に2連覇、前走のJBCスプリントでも2着の(5)ベストウォーリアを推します。この馬は一応G1のマイルCS・南部杯で2014-2015年に優勝、昨年は2着の実績があり、一昨年のフェブラリーSでも2着と実績十分。昨年は勝ち星がひとつもありませんが、これはベストウォーリア自身が衰えたというよりは、中距離路線のメンバーが強化されて、コパノリッキーがマイル路線に転向してきた影響が大きいもの。実際にここではPP指数の能力値1位タイの存在。今回は始動戦になりますが、フェブラリーSが本番というよりは、まずは勝ちたいという意識で出走してきているでしょう。斤量が他の馬よりも重い点は気になりますが、レースぶりに安定感があり、大きなマイナス材料がない馬。好走期待値の高い馬です。
〇は、後半型の競馬に徹して勢いに乗り、近2走のオープン特別では1着、2着の(13)エイシンバッケン。3走前の夏至Sでは、今回1番人気のカフジテイクに敗れていますが、これは外枠から出して先行させたのが敗因。レース前半で楽をさせれば、メンバートップクラスの末脚が使える馬。今回は前走を目標にしたカフジテイクとの大勢逆転を狙います。
▲は、デビュー5戦目で準オープンを勝利して、オープン入りを果たした米国産馬(15)ベストマッチョ。出世が速いのは素質があればこそで、能力の天井はもっと上にある可能性大。この馬が唯一勝てなかったのは、スタミナが不足する休養明けで逃げの手に出た三浦特別のみで2着。それも勝ち馬は先週のすばるSで2着のブラゾンドゥリスで、3着以下には3馬身半差以上も差をつけての勝利ですから、底を見せてないと言えるでしょう。今回は相手が強化されますが、警戒が必要です。
以下特注馬として、昨秋から上昇一途で前走のチャンピオンズCでは勝ち馬と0.2秒差(4着)の(3)カフジテイク。前走のチャンピオンズCは、3コーナーで勝ち馬サウンドトゥルーと同じ位置にいて、内1頭開いたスペースをサウンドトゥルーが突いたために、カフジテイクは大外を選択せざるを得ず、それでいて勝ち馬と0.2秒差は立派なもの。ただ、ダ1800mを最後方から競馬をした後の一戦で、いきなりダ1400mに対応するのは厳しいのも事実。しかし、3走前のグリンチャンネルCのように、先行馬総崩れの流れになれば、本来中距離馬のこの馬にも出番があるでしょう。
あとは昨年のプロキオンSで2着ニシケンモノノフと同タイム・3着の(14)キングズガード。プロキオンSは先行争いが激化して展開に恵まれての3着でしたが、今回もその可能性は十分。昨秋のグリーンチャンネルCや武蔵野Sでは特注馬のカフジテイクに敗れましたが、ともに前が厳しい展開の中で、カフジテイクよりも前々で立ち回っていた点は評価が出来ます。展開次第ではチャンスがあるでしょう。
△に昨年のプロキオンSは前が厳しい流れの中、△キングズガードよりも先に動いて2着の(4)ニシケンモノノフ。この馬は昨年12月のカペラSで2着、兵庫ゴールドTでは2着と力のあるとことを見せていますが、印上位の有力馬よりも前々で立ち回る馬なので狙い下げました。
他では格上の逃げ、先行馬よりも、格下で近走、折り合いに専念している勢いのある馬ということで(1)ブルミラコロ。正直、前走の三河Sは凡戦だけにあまり高い評価は出来ませんが、1番枠を利して距離損のない立ち回りができれば、相手強化のこの一戦でも通用するギリギリの範囲内にはいます。
最後に前走のチャンピオンズCではアウォーディーのラビット役となり、逃げたモンドクラッセを突いて、突いて最下位に敗れた(12)ブライトライン。この馬は2013年のみやこSの勝ち馬で、昨年のオアシスSでは1着、プロキオンSで4着。前走でなかなか厳しい流れを経験したことによる心肺機能や筋力の強化で、復活の可能性を一考しました。