穴馬の本命は◎ノーブルマーズ。近年の長距離戦はスタミナ勝負というより、スローからの瞬発力勝負になりがちで、だからこそ（中距離で道中が流れる）中山金杯で◎ノーブルマーズに本命を打ったのだが、こと目黒記念に関しては毎年スタミナと持続力が要求される、長距離戦らしい長距離戦が行われている。Ｃコース替わりで先行有利という意識が強いこと（実際は有利ではない。後述）、ハンデ戦、そしてどの馬も切れるタイプではないことがその要因だろう。
拙著『「重賞」二頭流』をご覧になった方は同コースで行われるアルゼンチン共和国杯のページでご覧になったかもしれないが、目黒記念とアルゼンチン共和国杯の脚質別の成績（近５年）を比較すると、アルゼンチン共和国杯の先行【2 2 2 13】、差し【3 2 1 19】に対して、黒記念は先行【0 1 2 15】、差し【4 3 3 27】。明らかに目黒記念のほうがタフなレースになることを示している。
能力は高いが、切れない。だけれどバテない。そんな◎ノーブルマーズにとっては距離、適性、展開ともにベストのレースと言えるのがこの目黒記念なのだ。２年前のこのレースで２着に好走しているのは、ある意味当たり前のこと。金杯以外は同馬向きの条件を走れず、さらに鞍上も弱かった近走は度外視でOK。乗り慣れた高倉騎手にスイッチで鞍上強化、そして有利な内枠に入ったここは大駆けが期待できる。