ラップギアコース適性値【瞬2平5消3】に近い比率の馬が有利
番馬名 【ラップギア】瞬発指数
01ステルヴィ【瞬4平3消0】115
02アウィルア【瞬2平1消2】110
03ダイアトニ【瞬5平5消0】104
04ティーハー【瞬1平4消5】 85
05ラブカンプ【瞬2平4消4】 81
06ダノンスマ【瞬0平6消3】115
07グルーヴィ【瞬1平2消1】111
08グランアレ【瞬2平2消0】116
09タワーオブ【瞬4平4消2】116
10アイラブテ【瞬0平5消2】 96
11クリノガウ【瞬2平0消1】106
12セイウンコ【瞬2平7消5】 92
13ダイメイプ【瞬0平4消5】 89
14モズアスコ【瞬2平9消1】115
15ナックビー【瞬3平12消5】 98
16モズスーパ【瞬2平3消3】104
17シヴァージ【瞬3平5消2】100
18ノームコア【瞬3平3消0】114
中京コース全面改修の2012年以降、高松宮記念は臨戦過程に注目すべきレースとなっている。単に前哨戦を勝った馬が高松宮記念で有利という話ではない。それぞれの前哨戦にはそれぞれのラップ的特徴があり、それを元に高松宮記念を読み解く面白さを体感できる構成になっているのだ。
1.シルクロードSで逃げずに好走した馬に注目
シルクロードSは基本的に内の先行馬が有利なレースであり、"内枠からの4角先頭"が勝ち馬の基本形。この形でシルクロードSを好走した馬は、京都芝1200mコースの恩恵を大きく受けていると考えられ、次走への期待値は押し並べて低い傾向にある。
逆にシルクロードSを逃げずに"人気で好走できた馬"は、コース全面改修の2012年以降9頭すべてが高松宮記念で掲示板に載る(5着以内)好走。人気薄での一撃も見込めるだけに、今年これに該当するアウィルアウェイには注目しておきたいところ。
■にシルクロードSを逃げずに"人気で好走できた馬"の高松宮記念成績
2012年1番人気3着ロードカナロア
2013年6番人気5着ダッシャーゴーゴー
2013年2番人気2着ドリームバレンチノ
2014年1番人気3着ストレイトガール
2015年10番人気4着サドンストーム
2017年5番人気1着セイウンコウセイ
2018年2番人気1着ファインニードル
2019年1番人気4着ダノンスマッシュ
2019年11番人気5着ティーハーフ
2.オーシャンSは、人気で敗れた馬に注目
ズブズブの消耗戦コース、数あるJRA1200m重賞の中でも1、2を争う厳しいラップになるオーシャンSは、基本的に高松宮記念にはまったく結びつかない。コース全面改修の2012年以降、オーシャンS勝ち馬の高松宮記念成績は下記のように散々なものとなっている。
2013年4番人気4着サクラゴスペル
2014年5番人気7着スマートオリオン
2015年12番人気8着サクラゴスペル
2016年5番人気5着エイシンブルズアイ
2017年3番人気10着メラグラーナ
2018年12番人気10着キングハート
2019年2番人気15着モズスーパーフレア
※2012年オーシャンS勝ち馬ワンカラットは、そのレースを最後に引退
しかしオーシャンSで人気に推されるということは、"それ以前の短距離重賞"で強さを見せていたということ。むしろオーシャンSでは流れが合わず『人気を裏切ってしまった馬』にこそ注目すべきだ。
→ダノンスマッシュとタワーオブロンドンの対照的な構図
3.阪急杯は、そのまま高松宮記念に直結する流れ
阪急杯はラップ構成上、高松宮記念とリンクしやすい傾向にある。高松宮記念が施行される中京芝1200mは、直線約413m。これは1200m戦が行われるコースとしては国内最長の直線距離。ちなみに2番目に直線が長いのは新潟内回りの約359m、次いで阪神内回りの約357m。中山競馬場は310mで、中京芝の1200mだけが突出しているのだ。
こういった直線の長いコースはラップが緩みやすく、その結果 高松宮記念のラップは 他場の1200mコースよりも1400mコースに似た構成になる傾向。すなわち 阪急杯を"人気で好走できる馬"は、そのまま高松宮記念でも通用する可能性が高いということになる。
今年の阪急杯からは 勝ち馬のベストアクターが高松宮記念に参戦できず、小差2着(3着に降着)のダイアトニックに注目といったところだろうか。しかしタイムで比較するなら、同じ阪神競馬場の芝1400mで行われた昨年末の阪神カップ、1分19秒4が脅威。計算上は1分20秒3のベストアクターとダイアトニックの『5馬身ほど先』にグランアレグリアが存在していることになるのだから。
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そんなこなんで今年の高松宮記念、例年通りの傾向なら(9)タワーオブロンドンの一強と見て良いはず。(14)モズアスコットや(1)ステルヴィオ、(18)ノームコアなどマイル路線のG1馬が参戦して彩(いろどり)を加えるも、基本的に高松宮記念は後方から末脚だけでぶった切るようなレースではないからだ。しかしそういった意味では(8)グランアレグリアも末脚頼りにはなるのだろうし、危ういグループになってしまうのか。
(8)グランアレグリアへの期待は、それこそ(8)グランアレグリアが規格外の馬なのではないかという期待。しかもオッズ的には(14)モズアスコットや(1)ステルヴィオ、(18)ノームコアなど、他のマイルG1馬たちをも圧倒するほどの規格外を(8)グランアレグリアに期待していることになる。
しかしここでひとつ気になるのが昨年秋、(8)グランアレグリアがスプリンターズSを目標に調整するという話が出たとき、厳しすぎる流れは合わないだろうと思えたこと。結局は体調が整わずスプリンターズSには出走しなかったのだが、出ていれば危険な人気馬になると思っていたことは確かだ。
今回の高松宮記念は(同じ芝1200メートルのG1でも)スプリンターズSほど厳しい流れにはならない傾向。(8)グランアレグリア自身も前走の阪神カップである程度の流れを経験し、今回は1200メートルの距離をそこまで気にする必要はないかとも考えていた。しかしメンバーが確定してくると、ここでどうしても超速(16)モズスーパーフレアのの存在が気になってしまう。(8)グランアレグリアの末脚は、この馬に削られてしまうのかも知れない。
そう考えると、やっぱりセオリー通り(9)タワーオブロンドンの本命が無難ということになるのか? いや、それが考えてみると(9)タワーオブロンドンにしても脚質的には末脚方向に寄っているのは間違いない。そこには目をつぶって(9)タワーオブロンドン本命に?
実はこの1週間ずっとその辺りで迷っていたのだが、そこで迷うようなら傾向とは思いっ切り逆張りで、展開決め打ちの(16)モズスーパーフレアを狙う手に出てみたい。同馬は前年の高松宮記念で2番人気だった馬であり、そこで15着に大敗しても同年スプリンターズSで3番人気だった馬(ダノンスマッシュとタワーオブロンドンに次ぐ人気)。それが前哨戦で健在ぶりを見せているにもかかわらず、今回はいきなり人気を落としすぎなのではないかと見えるからだ。
瞬発力で勝負する馬ではないので、瞬発指数が高くないのは仕方がない。半年前のスプリンターズSでは(9)タワーオブロンドン(1着)には1/2馬身及ばなかったものの、(6)ダノンスマッシュ(3着)には完全に先着している(16)モズスーパーフレア(2着)。それがフロックというワケではなく、(9)タワーオブロンドンや(6)ダノンスマッシュと互角に渡り合える力を見せての3番人気2着。
状態的には全然悪くないのに、(8)グランアレグリアや(14)モズアスコット、(1)ステルヴィオ、(18)ノームコアなど派手な別路線組の参戦で、これは人気盲点になっているとしか思えない。それこそ昨年のように大敗(2番人気15着)の可能性もあるのだろうが、迷いながら人気馬を買うよりは、傾向とはまったく逆の張りになることは承知のうえで、今年は(16)モズスーパーフレアのハイペース逃げに、後続の末脚が封殺される展開に賭けてみる!
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※【ラップギア】とは、各レースラップのラスト4ハロンのみに注目した適性分析です。JRA発表のラップタイムを一定の公式に当てはめ、誰でも簡単に算出することができます。数値が大きければ良いというものではなく、コース適性値と“比率”の近い馬が有利だと考えられます。
※ 瞬発指数は、“走破タイム”を一切考慮せず、ラップタイムを一定の公式に当てはめて算出した競走馬の能力値です。数値は全階級に対しての絶対値であり、下限70〜上限130辺りだと考えられます。競走馬の能力は変動相場であり、1走ごとに変化します。