◎エーポスはデビューからここまでの３戦を芝1600mで走っているが、レース内容からもマイルでは距離が長い印象を受ける。デビュー戦こそ相手関係にも恵まれて勝ち切れたものの、前半３ハロンが36.0秒という緩い流れを先行して、自身のラスト３ハロンが35.0秒というのは、中山であること、メンバー中２位の上がり順位だったことを加味しても、低調だったと言わざるを得ない。さらに続く２戦もマイル戦を先行してゴール前１ハロンのところでガス欠を起こしてしまっている。正確に言うとガス欠を起こしているように見えるのは、緩急のある競馬に対応できずにゴールになだれ込んでいるだけだからなのだが、この馬はまずマイル戦には向いていない。この手の走りをするのは、すべからくとまでは言わないが、1400m巧者であることが多い。今回はマイルから１ハロン短縮となる1400m戦で、１ハロンの距離短縮という以上に、1400mの緩急のつきづらい流れでスピードを持続する能力が要求されるのが◎エーポスにとっては大きなプラス材料となる。調教でも切れないが速いスピードを持続させるところを見せているだけに、初のベスト距離で好走が期待できる。

一方、人気馬の本命◎ヤマカツマーメイドも明らかに1400m 巧者。なかでもファンタジーＳは速いペースで逃げるレシステンシアを前で追いかけて４着に善戦。さらに続く阪神JFでも道中が緩まない流れを５着に善戦と、このメンバーのなかでは抜けた実績を持つ。特に前走のＧ１では適性より長い距離でも終いの脚をジリジリと伸ばしており、順当ならこの馬だろう。

また前日の１番人気に支持された△カリオストロは、最内枠がどう出るか。一見、逃げる同馬にとってはベストの枠順に思えるが、言い換えれば逃げという選択肢しか取れないということ。外から来られると嫌がる、あるいは折り合いを欠くところが見られる馬だけに、最内枠の逃げ一択というのは1番人気馬としてはリスクが高すぎる気がする。阪神芝1400mだけは２戦続けて相当高いパフォーマンスを見せているだけに、杞憂に終わる可能性はあるが、同馬の外から脚を伸ばしてくる◎ヤマカツマーメイド、◎エーポスの存在もあり、ここは△までとした。

▲アヌラーダプラは、前走のフェアリーＳで不動の本命に推したが、脚を伸ばし切れずに６着。スポーツマスターで配信した予想をご覧になった方、すみませんでした。結果論になってしまうが、東京、京都といった道中が緩んで瞬発力が発揮できるコースのマイラーというのが妥当な評価なのだろう。思えば同馬の２戦目、東京芝1400mもスローの瞬発力勝負だった。能力自体は抜けて高く、前走も対応できると本命に推したが、見立てが甘かった。今回は出走メンバーからしても道中が緩まない1400m戦。同馬の適性とはズレているが、能力だけで馬券圏内に走れるメンバーでもあり、相手筆頭の▲評価とさせていただいた。