開催年によっては「ものすごく賞金の高い1勝クラス」と化する場合もある、フェアリーS。今年は01スマイルカナ、07ペコリーノロマーノ、10シャインガーネット、11アヌラーダプラと4頭のオープン馬が出走しており、例年よりもレベルが高い印象を受けた。とはいえ、あくまで「例年よりはマシ」という話であり、何が起きても驚けない性格のレースであるのは、何も変わらない。そうそう順当には決まらない一戦だろう。

中山芝1600ｍ戦なので、枠番を重視するのは当然。かなりタフな馬場状態だが、まだ多少は「内」のほうがいいし、「前」のほうがいい。軽いキレ味が持ち味の馬は、そのよさを殺されてしまう可能性アリ。前々からの競馬で、しぶとく伸びるようなタイプのほうが期待できる状況といえる。

本命◎は01スマイルカナ。前走のひいらぎ賞では、力強い逃げでサクラトゥジュール以下を押さえ込んだ。そのサクラトゥジュールもかなりの素質馬で、次走ジュニアカップに出走して3着。もっと際どい勝負に持ち込めると期待していたほど、そのポテンシャルは高い。そんな馬を退けた実績は高く評価してしかるべきで、好枠番を引き当てたのも大きい。デキのよさも目立っており、ここでも勝ち負けが期待できるはずだ。

対抗○に10シャインガーネット。中山芝1600ｍでの新馬を好位追走から押し切ると、東京芝1600ｍの赤松賞では33秒6の上がりで差し切り勝ち。競馬センスのいい馬で、オルフェーヴルの産駒にしては精神的な落ち着きがある。機動力があるので、タフな馬場状態の中山芝も問題なくこなせるはず。ここは好位追走から、4コーナーで先頭に並びかけるような積極的な競馬を期待する。

単穴▲に03ソーユーフォリア。まったくの人気薄となりそうだが、折り合いを欠いた前走でも最後まで止まらず4着に踏ん張ったように、その能力の高さは侮れないものだ。距離延長が課題とはなるが、それだけに適度に前が流れてくれそうな組み合わせは大歓迎。うまく折り合って内々で立ち回ることができれば、上位に食い込めて不思議ではない1頭といえる。

そしてもう1頭の上位評価組△が、08チェーンオブラブだ。前走の赤松賞では10シャインガーネットの4着に敗れたが、後方から馬群を縫っていい脚で伸びてきた。けっして中山向きとはいえないタイプだが、血統やレース内容からも距離延長はまったく問題なく、稽古で素晴らしい動きを見せたようにデキは文句なし。道中のポジションと流れ次第では、一気の台頭がありそうだ。

以下も3頭に印を回したが、馬券の対象とするのは◎○▲△の4頭だけ。そのまま買っても十分な利益が見込めるので、推奨買い目は馬単の◎○▲△ボックス12点と3連複の◎○▲△ボックス4点とした。走りが軽く、現在の馬場に対する適性面で不安が残る11アヌラーダプラは、素質はあるがここではあまり買いたくない──というのが正直なところである。