先週の東スポ杯に引き続きオッズの上では3強ムード。結果的に先週は3強決着となったが、今週は先週よりは疑ってみたい要素もある。
それは展開面。逃げて連勝中のロールオブサンダーがここも引っ張るパターンと、前走スローペースの2番手に控えて全く見せ場を作れなかったショウナンバレリオが逃げるパターンとが考えられるが、いずれのパターンにしてもスローの瞬発力勝負になる流れは考えづらい。先週から時計がかかり始めていることも合わせると、かなりタフな流れになると予想される。
他方、断然人気が予想されるマイラプソディはデビューからの2戦がいずれもスローの瞬発力勝負(野路菊Sはラップだけ見れば平均ペースっぽいが、馬場を考慮すればあれはスロー)。能力の高さに疑いようはないが、初めてのタフな流れに初の内回りコースと取りこぼしてもおかしくはない。
ここに僅かな隙があるとみて他の馬から少し狙ってみたい。
本命は◎番ミヤマザクラ。スローペースからのラスト2ハロンが11秒3→11秒3の競馬になったデビュー戦では、一瞬の反応に遅れたものの、ラストは馬なりで前との差を詰めていたように能力の高さを垣間見せたというのは前走で本命にしたときに述べた通り。その前走は早めに外に出せたこともあって4角でほぼ先頭に並びかけ、そこから11秒7→11秒6の加速ラップをみせ5馬身差の快勝。こちらの想像通り、距離延長で一気にパフォーマンスを上げてきた。
この一族は当馬で5年連続でのディープ産。いずれもスピードタイプというよりはスタミナタイプで、当馬もそこは変わらないと思うが、スケールの大きさは一族でもNO.1で、牝馬ではあるが現時点での菊花賞最有力候補とみている。
距離は正直2000mでもまだ短い気がしているが、予想される流れ、馬場状態からこの馬に条件は最も向くはずだ。
対抗に8番マイラプソディで▲は該当馬なし。
☆は4番ロールオブサンダー。前走は同じ舞台で逃げ切り勝ち。当時の馬場状態も今週に近く、適性面では不安はない。ただ、先ほども少し触れたようにショウナンバレリオに主張される可能性があるのと、2着に負かしたブルーミングスカイを物差しにしたときに、前走内容をそこまで評価していいのかという問題は残る。盤石な3頭目という評価まではできない。
3強決着に待ったをかける可能性があると考えるのが、△3番ジャストナウと△1番トウカイデュエルの二頭。
△3番ジャストナウは、前走は終始外を回ってからのラスト3ハロンのギアチェンジに対応できなかった。今回は既に述べたようにラスト3ハロン戦にはならないはずで、11秒台が4回続くラップで今回と同条件の新馬戦を勝ったこの馬にはまさに条件好転。展開による浮上に期待する。
△1番トウカイデュエルは、前走は4角で前をカットされ、更に外を締められてスムーズにいかなかったが、ラスト200mからもう一度伸びて3着を死守した内容を評価。武騎手から乗り代わりになるということで、その分ジャストナウの下にとった。
ミヤマザクラからの馬連と、いくら隙があると言っても4着以下は想定しがたいマイラプソディとの二頭軸3連複で勝負。
2番ヴァルナは、前走はスミヨン騎手の剛腕で何とか持たした感じだが、前走時も述べたように小回りコースのほうが合っていそうな印象を受ける。そういう意味でコース替わりは歓迎したいが、想定しているペースとの関係で、この馬のギアチェンジの速さは活かしにくい。
9番ヒシタイザンは、前走は逃げて3着も中盤に13秒2−13秒1のラップを作りだした横山典騎手の好騎乗とみるべき。今回は行く馬がいるので同じ手は使えない。走るときの頭の高さは徐々に解消されてはいるが、もう少し様子見が必要か。
5番インザムードは、前走は直線で接触があり馬がやる気をなくしたか。これとも関係するが、馬がまだまだレースに集中できていないように感じる。能力は感じるし、母母がフサイチパンドラなので距離延長も合いそうだが、集中力という面では距離延長はマイナスだろう。今回は印は回せないが、穴を開ける魅力はあるので覚えておきたい。