(〜馬場分析〜)
フレミントン競馬場の形態をまず述べると、最後の直線は450mで、コーフィールドCが行われたコーフィールド競馬場の367mよりは長くなります。スタート位置は直線競馬で使われるコースの途中に設けられており、1コーナーまでの距離はたっぷり過ぎるほどあるだけに、先行馬は自分の位置取りを主張し易いと言えます。また、全体的にほぼ平坦コースで坂に関しては気にしないでOKです。また、水捌けが良いのが特徴。コーフィールドCは、当日未明から降った雨で発表は「重」。勝ち時計の2.33.72からも、推測よりもかなり重い芝になってしまったのが窺い知れます。コーフィールドCよりも硬い馬場レベルになります。ただ、こちらも雨の影響が出そうです。当日JRAから発表される馬場状態をチェックしましょう。下記の分析において、馬場に言及したものには該当する馬場レベルでその評価をアップダウンして下さい。
(〜主力馬分析〜)
9番マルメロ(55キロ)
3・4歳時にフランスの長距離戦であるバルブヴィル賞(G3・芝三千)・ケルゴルレイ賞(G2・芝三千)と重賞を2勝しているステイヤー。昨年は<6>着だったコーフィールドCを使って、メルボルンCに挑戦して<9>着。『キツいローテーションが応えた昨年を踏まえてのブッツケの参戦となった。』と陣営はコメント。昨年と同じ轍を踏まないように、コーフィールドCをスキップしてきました。今年は復帰緒戦のヴィコンテスヴィジエ賞(芝三千)でクビ差・<2>着。この勝ち馬のヴァジラバドはフランス最強ステイヤーですから、価値のある結果でした。その後、グランドカップS(※L・芝二七)・モーリスドニュイユ賞(G2・芝二八)ではゲートで後手を踏みながら連勝。続く前走の連覇を狙ったケルゴルレイ賞(G2・芝三千)では<2>着でしたが、昨年よりもフレッシュな状態で本気度が高いだけに、馬券圏内への食い込みを期待します。
(※L=リステッド競走。準重賞。)
3番マジックサークル(56キロ)
これまで挙げた8勝の距離を見ると、デビューから近い順に2414・2615・3259・2937・3299・3269・3749・3264m。完全なるステイヤーです。そして、今年のここ2走が、後続に1.0秒と大きな着差を付けての圧勝続き。特に前走のヘンリー2世S(G3・芝三二五)では、パリ大賞(G1・芝二四)の<2>着馬で、コーフィールドCで少々狙ったレッドヴァードン相手に快勝しています。鉄砲実績が5−1−1−2と非常に良好で、5ヶ月のレース間隔は気にしないで良いでしょう。また、スタミナはここに入ってもかなり上位なだけに、雨の影響が大きくなればなるほどチャンスは増すでしょう。
11番ユカタン(54.5キロ)
2歳時からレーシングポストトロフィー(G1・芝千六)で<2>着に入るなど素質の片鱗を見せていましたが、その後は故障もあって初重賞勝ちは意外にも3走前まで引き延ばされました。復活の原因の大きな要因の一つは、このレースから装着されたブリンカーの効果。これが起爆剤になったようです。オーストラリアに来て緒戦となった前走のハーバードパワーS(G2・芝二四)では後方で脚を溜めていましたが、向正面で早くも好位置に付けると残り600m過ぎで早くも先頭に立つと最後手綱を引いて止めるシーン。ハンデが重くならないための所作です。まともに追っていればかなりの着差を付けていたでしょうし、余裕十分の強い内容でした。<3>着馬のアプリンスオブアランが最終トライアルとなるホッサムハンデ(G3・芝二五)を勝ったことからも価値が上がりました。また、一瞬にして後続に差を付けたレース振りから、優秀な瞬発力を持っていることが分かります。それだけに、良好な馬場レベルでやれるに越したことはありません。雨の影響が小さければという条件が付きます。当初はコーフィールドCとこのメルボルンCと両方を出走する予定でしたが、ここ一本に絞ってきた点も本気度として受け止められます。
1番ベストソリューション(57.5キロ)
前走のコーフィールドC(芝二四)をトップハンデの57.5キロを背負いながら勝利。G1で3連勝と今勢いは一番です。これまで二四までの距離しか経験していませんが、その二四では6勝を挙げており、延びたらダメと決め付けるのは早計です。今回も内目の枠を引いただけに、直線までジッとロスのないコース取りで回ってくることが叶います。また、コーフィールドC時は、『当日未明から降った雨で「重」発表となったことも勝因の一つ。』と陣営はコメントしています。雨の影響が出る馬場レベルの方がベターです。
6番サウンドチェック(55.5キロ)
2走前のベルリン大賞(芝二四)でコーフィールドCを制したベストソリューションに僅かにクビ差の<2>着。当時は同斤量でしたが、ハンデ戦なので2キロの斤量利を得られます。前走のコーフィールドCはかなり後方からの追走となり<12>着に終わりましたが、二四は短過ぎたということです。右にモタれる面があるので左回りは不安ですが、『革製のクロスノーズバンドを調教で試したところ効果が感じられた。』とは陣営のコメント。距離延長は大きなプラス材料なので、大駆けに注意が必要です。
10番アヴィリオス(54.5キロ)
フランス在籍時は、凱旋門賞の前哨戦であるニエル賞(G2・芝二四)ではクラックスマンの<2>着がある程度。ただ、このクラックスマンは4つのG1を含む11戦8勝で先日引退したかなりの強豪。今年の凱旋門賞に出走してくればエネイブルに続く2番人気に支持されていたことでしょう。一応の評価にはなります。この馬が真価を発揮したのはこのオーストラリアに移籍してきた5走前から。4連勝で挑んだ前走のコックスプレート(G1・芝二〇四)ではウィンクスに1.3秒差を付けられましたが、距離が短過ぎたと言えます。2走前のザバートカミングス(G3・芝二五)を勝っており、前述の二四のニエル賞での<2>着があるように長い距離に良績を持っています。三千を超える距離は未経験ですが、良さが出る可能性はあります。
2番ザクリフスオブモハー(56.5キロ)
2走前のコーフィールドS(芝二千)は、スタートで後手を踏み最後方からの運びとなりましたが、0.4秒差まで追い込んでの<4>着。先着を許した3頭を見ると、馬券が発売されたドバイターフ(芝千八)でヴィブロス・ディアドラ・リアルスティールといった日本の強豪相手に勝利したベンバトルが勝ち馬で、<2>着のブレアハウスはドバイターフの前哨戦でそのベンバトルを降していますし、<3>着のヒュミドールはコックスプレート(芝二千)で現在29連勝中の怪物ウィンクスと接戦を演じており、3頭ともかなりのレベルにあることが分かります。中6日で向かった前走のコーフィールドC(芝二四)は、中団からジワジワと延びて<3>着。あのレース振りならば三二をこなせそうに感じます。あとは、中1週と再度詰まったローテーションを克服出来るかどうかです。
4番チェスナットコート(55.5キロ)
コーフィールドCの前から、狙いはこのメルボルンCであったことは明らか。連闘で安田記念を制したモズアスコットも管理する矢作調教師は『連闘は自分の一番得意なローテーション』とコメントし、歴史に刻まれるG1勝利を成し遂げました。詰まったローテーションは全く気にすることもなく、コーフィールドCは叩き台と見るべきです。『前走後はダメージがなかったので、しっかりと乗り込むことが出来た。』という陣営のコメントからもそれは分かります。距離延長は間違いなくプラス材料ですし、雨の影響が小さくなり時計の早い馬場レベルになれば日本馬に有利。ここは変わり身を期待したいところです。
23番クロスカウンター(51キロ)
2走前のゴードンS(G3・芝二四)をコースレコードで、しかも後続に0.8秒差を付ける快勝劇を演じました。降した<2>着馬であるディーエックスビーは、英ダービー(G1・芝二四一)の<2>着馬ですから価値があります。時計の出る硬い馬場レベルを好むのはこのレースから一目瞭然です。輸送で負った怪我が気になりますが、陣営からは気にならないというコメントが出ています。現地のブックメーカーでは3番人気に支持されていますが、日本ではあまり人気にならないでしょう。そのあたりの注意は必要です。
22番ヤングスター(51.5キロ)
6走前のクイーンズランドオークス(芝二二)で勝利。続く、クイーンズランドダービー(芝二二)ではかなりの道悪となった「不良」でも0.5秒差・<3>着と善戦しています。4・3走前には千四・千五に使われていますが、距離は長い方が合っている印象です。また、2走前のターンブルS(芝二千)ではウィンクスから0.2秒差・<2>着と好戦。力を付けています。前走のコーフィールドCは外からの差し馬にとっては厳しいレースでした。同情の余地はあります。ここに入ってもレイティング第2位と高い割に51.5キロという軽い斤量で済む点は再度注目する価値があります。三二の距離は長過ぎる嫌いはありますが、一気に人気を落とすようならば。
(波乱度A)
(3連複2軸)
9・3 →総流し
9・11 →総流し
(馬連&馬単<1>着流し&3連複1軸)
9 →3、11、1、6、10、2、4、23、22
(馬連)
9 →上の抜け目