展望：
東京芝はBコース2週目で内が多少荒れていますが、不利というほどではなさそう。例年通り、内枠がやや有利という判断を下しています。
2400ｍは3歳牝馬にとって過酷な距離。
瞬発力やスピードは先天的な才能が大きく、持続力やスタミナは後天的に鍛えられると言いますが、ラップを見ていてもそれは真実だと考えています（上がり時計は2.3歳から速い数字を出せるが、後半5F、4Fの速さは古馬が強い）。
逃げ候補のパレハ、ヴィントシュティレ、ショウナンマヌエラらが一発狙ってきそう。ハイペースで差し有利という想定です。

◎7.ステレンボッシュ
前走・桜花賞はスタート一息も、促して中団確保。4角でアスコリピチェーノが外に膨れたことで、スムーズに進路を確保できました。残り200ｍほどで先頭に立つと、終い11.5秒でまとめて押し切りました。阪神JFよりもメンバー強化される点がどうかと考えていましたが、結局、阪神JFの1.2着馬が強かったという判断で良さそうです。
前々走・阪神JFは直線で外に出してからまた内に切り返すロスが最後のクビ差に出たという内容。終いの勢いはアスコリピチェーノを上回っており、スムーズかどうかだったの差でしょう。
3走前の赤松賞はL5が58.1秒、L4が45.9秒、L2が11.1-11.3で、アルテミスSにも大きく見劣りしないハイレベル戦でした。
血統面からも距離は問題なさそうなので、初騎乗の戸崎圭太騎手が普通に乗ってくれれば、勝ち負けできるはずです。

○5.コガネノソラ
柴田大知騎手から別騎手に乗り替わって3連勝。
前走・スイートピーSは1000ｍ通過57.5秒の超ハイペース。勝ち時計の1.45.6はかなり優秀です。差し切った本馬は終い11秒台前半で走っており、余力も十分にあるでしょう。
前々走の1勝クラスはL2を12.1-11.7の加速ラップで差し切り。
ゴールドシップ産駒でスタミナも豊富そうです。桜花賞以外の組では最も高く評価しています。
対抗評価。

▲15.サフィラ
前走・クイーンCは全く見せ場なく終わりました。あんなに負ける馬ではないので、マイナス10キロが響いたものだと思われます。
前々走・阪神JFは14番枠を危惧して無印にしましたが、3.4角でかなり外を回されていました。4着は想像以上に頑張ったと評価しています。
3走前のアルテミスSはL5の57.7秒も優秀ですが、L2が11.2-11.0の加速ラップになったことで非常に高く評価している一戦です。チェルヴィニアに並びかけてから離されてしまいましたが、2着でも十分に高く評価できます。
調教後馬体重は454キロ。クイーンCが432キロだったので22キロ戻してきました。これなら前走のようなことはなさそうで、巻き返し必至と見ます。

△12.チェルヴィニア
前走・桜花賞はやや出負け。少し力んで走っていたにしても手応えがなくなるのも早すぎたという印象です。外を回したことはそう不利ではなく、それよりも長期休養明けが敗因だと考えています。
前々走・アルテミスSはL2が11.2-11.0の加速＆余力ラップを差し切り勝ち。
3走前の未勝利戦ではL5が57.7秒、L4が45.2秒、L2が10.6-11.3という素晴らしいラップで大楽勝。しかもほぼ持ったままでした。
能力はナンバーワンだと考えている馬です。
ルメール騎手に手が戻るのはプラス。本来の力さえ出せれば、好勝負になるはずです。
ステレンボッシュとチェルヴィニアからでは配当が確保できないので、三連複で流します。

以下は無印の馬について。

1.ミアネーロ
前走・フラワーCは道中インで、直線は残り200ｍ手前で少し外に出すほぼ完璧な立ち回りで勝利。
前々走・菜の花賞はやや出負け。すぐインに潜り込めたので、ロスはありませんでした。直線では狭いところに突っ込んで挟まる大きな不利。そこから盛り返してきており、スムーズなら勝ち負けだったはずです。
新馬戦は出負け。途中から進出して3番手に。直線では外に斜行して2着馬マーシャルポイントの進路を妨害しました。おそらくまともなら負けていたように映り、降着でも良かったのではないかと思います。
前走が完璧に立ち回っての勝利で、3着カンティアーモがスムーズだったら負けていたのではないかと考えています。
G1では厳しいだろうという見立てです。
2.クイーンズウォーク
前走・桜花賞は内枠から中団を確保。直線も内を突いて伸びかけましたが、最後に甘くなりました。外差し馬場だったので進路面の不利はあったにせよ、同じような進路の5着エトヴプレに最後離されていました。一旦は交わしたセキトバイーストにも差し返されている訳なので、進路面の不利は言い訳にならないだろうと考えています。
前々走・クイーンCは好時計・好ラップでの勝利でしたが、2月の東京芝はかなり時計が出ていたので、あまり数字を信頼してはいけないだろうと考えています。出走馬の中で、次走馬券に絡んだのはダート馬のガビーズシスターのみ。
オークス向きだという話ですが、グレナディアガーズとアストロフィライトの半妹という血統。血統面だけなら不安は残ります。それなりに走ってきそうですが、過度な期待は禁物だと考えています。
3.エセルフリーダ
前走・ミモザ賞はL2が11.8-11.7の加速ラップ。
4角でマクり気味に進出。外差しの決まる馬場も味方にして差し切りました。ただ、2着ニシノティアモに終いは急追されていました。ニシノティアモは馬群の中から抜け出すのが遅れての敗戦だったので、本馬は恵まれての勝利だったと考えています。ニシノティアモはスイートピーSでコガネノソラに敗れての2着。
G1では足りないだろう見立て。
4.パレハ
前走・忘れな草賞は最内枠から軽く促してハナへ。2.3番手の馬に突かれる形になり、1000ｍ通過は58.1秒の超ハイペースに。これではさすがに厳しく、4角で早々にタガノエルピーダに交わされて惨敗。
前々走の未勝利勝ちは、大外枠から押してハナへ。1000ｍ通過63.0秒のスローに持ち込んで逃げ切りました。終い12.1秒と失速しており、2着馬にも急追されています。
G1では力不足でしょう。
6.サンセットビュー
前走・フローラSは終始、外を回されるロス。直線でも前が壁になり、進路を切り替えた時には最後方まで下がってしまいましたが、盛り返して9着。
前々走・クイーンCは出遅れ。インをロスなく立ち回って最後まで伸びてきました。
ここでは力が足りないでしょう。
古馬混合の1勝クラスなら組み合わせ次第ですぐ勝てるはずです。
8.ホーエリート
前走・フラワーCは押して出していきましたが、初角でハミを噛んで下げざるを得なかったという話。よく伸びてきましたが、12秒前後が続くラップで、前に苦しい流れ。控えたことで、結果的に展開は向いたという判断を下しています。
前々走・フリージア賞は直線で狭いところにいて追いにくそうで、ゴール前では他馬に挟まれる不利。7着とはいえ0.2秒差で、不利がなければ勝ち負けだったでしょう。
百日草特別はアドマイヤベルに0.4秒先着されており、G1で足りるようには思えず。
9.ラヴァンダ
前走・フローラSは内枠を生かして全くロスのない競馬ができました。これだけ完璧に乗ってアドマイヤベルに負けていては、厳しいだろうという見立てです。
前々走・チューリップ賞は中団やや後ろから。直線で二度ほど狭くなる場面がありながらもしぶとく伸びてきました。
3走前・こぶし賞はスローペースを先行。逃げ馬を捉えきれず、勝ち馬に差されての3着でした。
G1では厳しいでしょう。
10.アドマイヤベル
前走・フローラSは好位追走から完勝と言えるレース内容でした。小粒なメンバー構成だったので、レースレベルがカギ。
勝ち時計の1.59.0は優秀ですが、L5が59.7秒で、L2が11.6-11.8。差し切ったアドマイヤベルは終い11.6秒程度でしょうか。
ハイレベルだった昨年の勝ち時計が1.58.9で、L5が58.1秒、L2が11.3-11.6。
アドマイヤベルは終いの脚色を見ても余力はあまりないという見立てです。
今年は桜花賞組が強く、前走通りでは劣ると考えています。
11.ヴィントシュティレ
前走は1000ｍ通過58.4秒というハイペースの大逃げ。ハナに立っても力んでいました。よく逃げ切りましたが、2F目が最速ラップでそこからどんどんと減速しており、勝ち時計は2.00.4。さすがに力が足りないでしょう。
今回、大逃げを打っても前走のようなラップでは捕まります。
13.スウィープフィート
前走・桜花賞は五分のスタートから控えて最後方。道中はインで脚を溜めて4角で外を狙いましたが、すぐ外にライトバックがいて蓋される形に。進路を切り替えてからは馬群をさばいてよく伸びてきました。スタートが悪い馬なので、好スタートを切れたのは収穫です。
力んで走るところがあるので、距離がカギ。
武豊騎手が上手く脚を溜めて乗っているので、ここはユタカマジックに期待でしょうか。
14.ライトバック
前走・桜花賞はやや出負け。折り合いを欠く馬なので、上手く脚を溜められたのが良かったと思います。また、直線入り口でスウィープフィートに蓋をする形になったのも良かったと言えます。どうして人気がないのか不可解だったくらいに力はある馬で、3着に驚きはありません。
前々走・エルフィンSも出負け。直線は先に抜け出したスウィープフィートを差し切りました。L2が11.2-11.4の余力ラップで、当時の京都の馬場を考えれば非常に速い。
アルテミスSは出遅れに加えて、道中でかなり引っ掛かっていました。直線ではインの窮屈なところでなかなか追い出し切れずにいました。結果、追い出しの遅れが響いての4着に敗退。最後まで伸びているだけに、外枠勢に先を越されたのが致命的になりました。
力は認めていますが、気性的に2400ｍが持つかがカギ。
16.ショウナンマヌエラ
前走・桜花賞は押してハナへ。800ｍ通過46.3秒のハイペース。交わされてからはほぼ追っていなかったので、大敗も仕方ないところ。
前々走・チューリップ賞は出遅れて離れた後ろから。ハイペースで全体的に上がりの掛かったレースですが、メンバー3位の上がりを使えたのは意外でした。
ハイレベル戦だったアルテミスSの5着、新潟2歳Sの2着は評価しています。
勝った新馬戦は2着以下が活躍しているハイレベル戦です。
恵まれればそれなりにやれそうですが、差しの利きやすいオークスで逃げ馬は買いにくくて。
17.タガノエルピーダ
完璧な余力ラップだった新馬戦から高く評価している馬（L5が57.9秒、L4が45.5秒、L2が11.0-11.0）。
前走・忘れな草賞は1000ｍ通過58.1秒の超ハイペース。競った前3頭を追いかけない4番手を追走。4角で早めに先頭に立つと、そのまま押し切りました。終い12.1秒と掛かりましたが、本馬の位置でもペースは速かったはず。並びかけてきた2着馬を突き放しているだけに大きな問題はなさそう。
前々走・チューリップ賞は800ｍ通過46.0秒のハイペースを先行。しかも大外枠で外を回されたのは痛かったと言えます。
3走前・朝日杯FSは、阪神JFよりも勝ち時計が1.2秒も遅くなりましたが、これは直線の向かい風が影響したのだろうと考えています。800ｍ通過46.1秒のハイペースを先行して3着に残したのは非常に強い内容です。
上に長い距離で活躍している馬が多く、スタミナは豊富そうです。
スタートが上手く、前々の競馬になっている点が不安要素。
デムーロ騎手が上手く溜めて乗ってくれれば。
18.ランスオブクイーン
前走の未勝利戦はL2が11.2-11.2の持続＆余力ラップで差し切り勝ちですが、1000ｍ通過61.4秒はまだしも、その後もなかなかペースアップしなかったことで後半2Fだけの競馬になったという印象。
前々走はロスなく乗れましたが、2.00.0で走破しており、決して弱い馬ではないでしょう。L2が12.0-11.5の新馬戦では、君子蘭賞を勝ったミエスペランサと差のない競馬をしています。
ただ、1勝クラスならやれるだろうというくらいの意味で、さすがにいきなりG1では厳しいでしょう。

L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています（Lはラストの「L」になります）。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。