東京11Rオークス(B)
[印]
◎5コガネノソラ
〇7ステレンボッシュ
▲17タガノエルピーダ
△12チェルヴィニア
△1,2,3,8,9,10,13,14,15
≪買い目≫
単勝◎ 6%
複勝◎ 30%
馬連◎〇 5%
ワイド◎〇 25%
三連複◎〇→▲△ 2%×11点
馬連BOX◎・〇・▲・チェルヴィニア 2%×6点
[見解]
このオークスに出走する牝馬にとって距離2400mというのは、後にも先にもほぼ経験することがない過酷で長すぎる距離に分類できます。その上、前走まで短~中距離で速い流れのレースを経てきた馬が大半を占めており、それらの馬にとっては一気の距離延長となるので長距離に適したペースを刻むのは容易ではないために、オークスはこの距離のレースにしてはペースが流れやすくて“脱落戦(バテ合い)”の様相になりがちです。そこで好走に至るためには、確かな地力と共に長距離をこなせるスタミナが備わっている必要があります。
そのスタミナ面を見抜く術としては、「短距離の実績馬ではないこと」と「長距離向きの馬体であること」と「長距離向きの血統であること」の3つのポイントが挙げられます。
まず一つ目の「短距離の実績馬ではないこと」について、端的に言えば距離1600mの桜花賞で好走した馬は、距離2400mオークスでは疑いの目で見るべきということです。
近12年でオークスと桜花賞と両方好走したのは計14頭(直近だと23年リバティアイランド・22年スターズオンアース・20年デアリングタクト・19年クロノジェネシス・18年アーモンドアイなど)と少なからずいますが、早期引退馬を除いたほとんどの該当馬はその後に名牝級の活躍を見せた馬でした。それ程の圧倒的な地力の持ち主でない限りは、距離ギャップを越えて桜花賞とオークスを連続好走するのは至難の業ということが言えます。
二つ目の「長距離向きの馬体であること」について、端的に言えば馬体が大きくない馬の方が良いということです。
馬体重480キロ以上の大型馬の方が有利な桜花賞に対して、オークスで最も有利なのは460~479キロの中型馬で、次いで450キロ台以下の小型馬も過去10年で4勝をあげているなど、総じてスレンダー体型の小~中型馬の健闘が目立っています。
つまりは、馬体重の大小次第で桜花賞でパフォーマンスを上げるタイプとオークスでパフォーマンスを上げるタイプと峻別することができるということで、実際に近12年の桜花賞とオークスの連続好走馬(14頭)の中でも、オークスで桜花賞よりも着順を下げた3頭は全て470キロ以上の中~大型馬でした。逆にオークスで桜花賞よりも着順を下げなかった11頭中9頭は460キロ台以下の小~中型馬でした。
また、特に近5年のオークスにおいては、470キロ以上の中大型馬で1~5番人気の上位人気に推されていた馬は「23年5番人気8着ソーダズリング・23年4番人気11着ゴールデンハインド・22年1番人気12着サークルオブライフ・22年2番人気7着アートハウス・21年1番人気8着ソダシ・21年4番人気11着ファインルージュ・21年5番人気13着ステラリア」の計6頭いましたが、全てが掲示板外に沈んでいます。
逆に460キロ台以下の小中型馬で1~5番人気の上位人気に推されていた馬は、18頭中9頭という高確率で馬券内好走を果たしています。
今年の桜花賞勝ち馬のステレンボッシュは、昨年の桜花賞とオークスを連勝したリバティアイランドと同じく馬体重460キロ台(以下)での出走が見込まれるだけに、本来はオークス向きにもかかわらず桜花賞も好走したという名牝候補の馬という見方をする必要がありそうです。
桜花賞勝ち馬でパフォーマンスレベルは最上位であり、桜花賞組の中では最も馬体重が小さい長距離向きの馬体の持ち主ですので、唯一前走勝利に導いたモレイラ騎手が騎乗しないという点は明確なマイナス材料になるとしても、それ以外にはケチを付けづらいということで対抗評価とします。
最後に「長距離向きの血統であること」について、これまでも何度か牝馬の中長距離の上級レースでは「ステイゴールド系・キングカメハメハ産駒・ハービンジャー産駒・キズナ産駒」が特注血統であると紹介したことがありましたが、実際に近年のオークスでも同該当馬から20年13番人気3着ウインマイティー(ステゴ系)・21年16番人気3着ハギノピリナ(キンカメ産駒)・22年10番人気2着スタニングローズ(キンカメ産駒)と言った激走例が生まれています。
それらを踏まえた上で、唯一3つのポイントを全て兼ね備えるコガネノソラ(短距離実績無し・馬体重440キロ台・ステゴ系)を本命に抜擢します。
2020年以降のビッグレッドF生産馬の騎手別成績(上位人気馬限定/平地限定/8騎乗数以上)で複勝率5割を超えているのは、川田騎手(8の4)・石川騎手(26の16)・和田竜騎手(34の20)・三浦騎手(11の6)・横山武騎手(70の36)の5人ですが、全員いわゆるパワータイプの騎手です。同生産&育成馬と相性が良い騎手が乗った時には3戦3勝で底を見せていないコガネノソラは、その今回も一発があって良い一頭と見ます。
対抗は桜花賞組では最も馬体重が小さい長距離もこなせる馬体をしているステレンボッシュ。
近4年連続で二桁人気馬が複数掲示板内に入線している波乱レースですので、3列目は大幅に割り引くべき逃げ脚質のパレハとショウナンマヌエラとヴィントシュティレと、パフォーマンスレベル下位で格上挑戦のサンセットビューとランスオブクイーン以外の多点流しの形とします。
参考のためにその中でもポジティブな評価をしている馬を列挙すると、コガネノソラ以外のもう1頭の特注血統のキズナ産駒かつ小柄な馬体に当てはまるタガノエルピーダ、前走桜花賞は主に右回りで割り引きましたが左回り替わりと母父ともにオークスに良績ある血統魅力のチェルヴィニア、晩成の嫌いはあるものの血統的にも小柄な馬体的にも距離魅力のサフィラ。あとは一応最もレベルが高い桜花賞健闘馬だけに軽視は禁物のライトバックとスウィープフィート。