考えれば考えるほどに難解な、今年のヴィクトリアマイル。東京芝は今週からBコース替わりだったが、そこまで「内＆前」有利な方向にはシフトしなかった印象。土曜日に関しては強風の影響もかなりあったはずで、馬場バイアスはおそらく少しだけ「内＆前」有利な程度だと思われる。明日も大きな影響はなさそうなので、枠番や馬場についてはフラット前提でも大きな問題はないはずだ。

先行指向は弱めの組み合わせで、逃げ候補は04コンクシェル、08サウンドビバーチェ、14フィールシンパシーあたり。どの馬が逃げたとしても、序盤から速いラップとなるケースは考えづらく、展開的には中団よりも前にいる組のほうが有利なはずだ。馬場バイアスも加味して考えると、追い込むのはそう簡単ではないはず。京王杯スプリングCでのレッドモンレーヴと同じ競馬をできるなどとは、思わないほうがいい。

そうなると、買いづらい面があるのが10ナミュール。実績はここに入れば「断然」で、能力上位であるのは言うまでもない。だが、武豊ジョッキーは後方で脚をタメる競馬をするはずで、それで果たして間に合うかどうかは微妙なところ。海外帰りからの厳しい調整過程ながら好気配も、追い込むも届かず3着──といった結果があり得る一戦だ。この馬場や組み合わせで、本命には推しづらい。

だからといって、「二強」のもう片方である06マスクトディーヴァも、オッズほどに買いやすいわけではない。モレイラ騎手が鞍上ということで過剰に人気しているのは確実で、スッと好位を取れた前走のような走りが再びできるかどうか、個人的には半信半疑。そして、これは10ナミュールについてもいえることだが、けっこうパワーが必要そうな馬場であり、馬格のない本馬が能力をフルに発揮できるかどうかは微妙なところだ。

つまり、オッズ的には「二強」ながら、どちらもそこまでアテにはできない──という結論となる。そこで開き直って、展開や馬場バイアスの面で優位な逃げ・先行勢を重視することにした。また、悩みに悩んだ結果、推奨買い目もかなり変則的なものに。先にお伝えしておくと、10ナミュールと06マスクトディーヴァが連対した場合は素直に諦めるという、かなり開き直った印や買い目である。

本命◎は、前走の大阪杯で思いきった逃げを打った03スタニングローズ。最後は息切れして8着に終わったが、休み明けを叩かれた今回は最後の粘りが大きく変わってくる。マイラーではないが先行力は上位クラスで、気分よく好位を追走できれば、最後にキレのある末脚も使えるはず。不完全燃焼に終わった昨年のヴィクトリアマイルでの“借り”を返すような、積極的な競馬を期待したい。

対抗○が05ウンブライルで、川田ジョッキーらしいポジションを取りにいく騎乗を期待してのもの。マイル適性の高さは文句なしで、ここにきての上昇度も目立っている。単穴▲は14フィールシンパシーで、常に過小評価されるキャラだが、近走内容はなかなか優秀。東京適性も高いので、楽に先行できそうなここはけっして侮れない。以上の3頭が、このレースの上位評価組となる。

以下は、△06マスクトディーヴァ、☆10ナミュール、注02フィアスプライド、注04コンクシェル、注08サウンドビバーチェまで印を回したが、△☆は3連複や3連単を買う方を意識して回した印であり、推奨買い目にこの2頭は含まれていない。そして推奨買い目の券種は「枠連」なので、△☆が連絡みした場合は絶対に当たらないというわけだ。かなり変則的だが、悩みまくった結果ここに着地した。

推奨買い目の内容はシンプルにいえば「枠連2・3・5・8ボックス」で、◎が入る2枠からの買い目を厚めに設定。前日段階では、推奨買い目の枠連6点で合成オッズ7倍前後と、意外なほどに爆発力がある。「枠ゾロ」の目は馬連や馬単で押さえたほうが配当がつくので、推奨買い目では馬単8点で構成した。少なめの点数で多くの決着パターンをカバーできる、この買い目こそが最良と判断。高配当の使者となる、5枠と8枠の激走をおおいに期待する。