展望：
土曜は超高速馬場で、内枠先行馬が有利。
あまりにも速すぎるので、外枠の差し馬は間に合わないだろうと予想しました。徹底逃げ馬も不在のメンバー構成で、内枠の先行馬から。

◎1.トゥードジボン
京都マイルで強い馬で、4走前の清水SではL4を44.8秒でまとめて逃げ切りました。滅多に見られない数字です。
逃げて速い上がりでまとめられるので、超高速馬場の京都はピッタリでしょう。
前走・六甲Sは行く馬の少ないメンバー構成でしたが、差せない馬場を見越してか、ジャスティンスカイが主張してハイペースに。外差し競馬になったので度外視でも。
前々走・東京新聞杯も中緩みの幅が狭いハイペース。それでも道中で力んでおり、関東遠征の影響があったのかもしれません。
3走前の京都金杯は向かないであろう時計の掛かる馬場で、2着セッションを交わす寸前の3着。
超高速馬場の京都なら巻き返せるはずです。

○3.セリフォス
前走・香港マイルは出遅れ。直線はナミュールの後ろから追い上げましたが、離されてしまいました。本来、スタートは決めてくる馬なので参考外でも。
前々走・マイルCSは序盤からかなり力む形で先行。ハイペースに巻き込まれる形になりましたが、一旦は先頭に立つかという見せ場ありの競馬。元々は富士Sから始動予定の計画が、体調整わずぶっつけになったという話。
外枠の差し馬が恵まれた昨年の安田記念は、内枠から先行して2着。
マイルCSを勝っている通り、京都マイルも問題ありません。
ここ2走は度外視で狙いますが、陣営が「まだ本調子手前といった感じがします」と述べています。
1キロ重い斤量を背負うこともあり、伸びあぐねる場面も想像できるので、対抗に落としました。

▲4.リューベック
前走・洛陽Sは出遅れ。ハイペースの外差し競馬で、バイアスに沿った競馬はできていますが、ジリジリとしか伸びず。やや力んでいたのも響いたかもしれません。
前々走・ニューイヤーSは直線でどん詰まり。進路が開いてからはよく伸びており、スムーズなら勝ち負けだったはず。
3走前・中日新聞杯は長期休養明けでプラス16キロ。道中力んでいた分も考えれば、参考外にしても良い一戦。
4走前の中山記念は大外枠で終始、外々を回されて位置も取れないという大きなロスがありました。それで勝ち馬と0.2秒差まで迫ったのはかなり強い内容でした。
前走の負け方が気になりますが、5走前の但馬SはL5が57.8秒で、上がりも33.2秒でまとめてゼッフィーロを封じ込めるという強い競馬をしています。
元々は逃げ馬だったので、スタートさえ決めればもう少し位置は取れるはずです。
浜中俊騎手なら馬場を把握した上で乗ってくれそう。位置を取ってくると考えて3番手評価とします。

△2.スパイダーゴールド
3勝クラスの勝ち時計1.57.7からオープンでも通用すると思っていた馬。
続く新潟大賞典は不良馬場、関越S・中日新聞杯はハイペースに巻き込まれる形、ニューイヤーSは後手後手の競馬、と敗因はありました。
前走・白富士Sは残り200ｍで甘くなりましたが、勝ったロードデルレイはかなりの器。大阪杯に出走が叶えば、本命予定でした。
ニューイヤーSはペースも速くなってしまったので、スローになりやすい京都マイルで位置を取れれば。33秒台の上がりも使える馬でもあります。
スタートが上手く位置を取ってくれやすい西村淳也騎手はプラスでしょう。今回は鞍上にも期待して押さえます。

以下は無印の馬について。

5.エアロロノア
もう7歳になりますが、何と去勢して出走してきました。エアデジャヴーから続く母系は長持ちする印象で、近親のエアシェイディ・エアスピネルも高齢まで活躍しました。
前走・エプソムCは行き脚が付かず後方から。直線は大外を回して、最後まで伸びています。
昨年のマイラーズCは15番枠で終始、外を回されたことも多少響いたか。伸びてはいるものの、ジリジリという形で0.5秒差8着。
京都外回りは未勝利勝ちの時に強い競馬をしており、昨年のマイラーズCの戦前に武豊騎手が「3〜4角から下っていくコース形態が合いそう」と述べていたという話。
もう少し走れて良いですが、差し馬は間に合わない想定なので買いません。
6.ビーアストニッシド
前走・六甲Sはハイペース。ジャスティンスカイとのハナ争いが激しくなり、度外視でも。
前々走はダートで度外視。
3走前・リゲルSは800ｍ通過47.7秒のスロー。好位から運べましたが、切れ負けしたという印象。
安土城Sの1.19.5という走破時計は優秀ですが、ハイペースを控える競馬で恵まれたか。昨年のマイラーズCはゴール前で狭くなりましたが、それ以外はスムーズ。おそらく、狭くならなくても前を交わせていなかったはずです。位置を取れるのは有利でも買いにくい。
7.ノースザワールド
前走・六甲Sは少し外を回りすぎました。鞍上の幸英明騎手が「馬場のいいところをと思って外へ出していきましたが、結局、内の馬が残ってしまいました」と述べている通り、ロスが響きました。ハイペースで差す競馬自体は向きました。
前々走・東風Sは出遅れ。800ｍ通過45.9秒のハイペース。結果的に縦長馬群になって前が残ってはいますが、差し自体は恵まれていたはず。
3勝クラスでは5戦連続2着だった馬で、決め手に欠く面があります。
高速馬場の京都では決め手不足か。
8.トランキリテ
前走・洛陽Sはかなり時計の掛かる馬場で、外差し有利な馬場。800ｍ通過45.5秒のハイペースで展開恵まれていますが、当時の馬場で1.32.6は速い。L2が11.6-11.5の加速ラップを差してきた点も優秀。
前々走・石清水Sは重馬場。好発を決めて好位置を確保しました。鞍上の武豊騎手がこの日は芝で3勝を挙げており、当時の京都芝は武豊騎手の庭と化していました。
今回、超高速馬場で間に合わないと見ますが、武豊騎手は土曜の京都芝で2勝。京都を把握して乗りこなしている点だけが怖い。
9.ニホンピロキーフ
前走・関門橋Sはインが復活していた小倉。ペースも緩んで差しにくい展開だったと思いますが、早めに位置を押し上げて完勝。3勝クラスでは力が上でした。
前々走・飛鳥Sは1000ｍ通過62.0秒のスロー。2番手から運んだエアサージュに上がり33.8秒でまとめられては厳しかった。
3走前の元町Sは3勝クラスとしては最高とも言える好メンバーが揃った一戦。出負け。直線はよく伸びて勝ったコレペティトールと0.3秒差でしたが、馬群をさばくのに苦労していた分の差でしょう。
4走前は3F通過36.2秒のスローだったとはいえ、マイルでもすんなりと流れに乗れました。3着に下したディオはすでにオープン入りしています。
そう差はないはずですが、内枠勢が出していくと位置は取れなそうで。
10.コレペティトール
前走・京都金杯は出遅れ。促して掛かり気味にリカバー。800ｍ通過45.3秒のハイペースとはいえ、ドルチェモアの大逃げで、2番手以降はさほど厳しいペースではなかったはず。セッションとトゥードジボンを差し切ったのは素直に評価して良いでしょう。
前々走の元町Sは3勝クラス上位の馬が多数出走してきたハイレベル戦。逃げ・先行馬もかなり揃い、1000ｍ通過57.1秒の超ハイペースに。岩田康誠騎手らしい外枠からのイン突きが見事にハマったとはいえ、1.44.2の走破時計はかなり優秀です。
3走前の秋色SはL3全て10秒台を刻むという異色のラップ。位置取りの差が出ただけで、本馬も32.5秒の上がりを使っているのだから価値は高い。
ここで上がり面でも劣らないところを示しているのは強み。
岩田康誠騎手がインをロスなく回してきそうな点も怖いところですが、差し届かずになるだろうと考えます。
11.アリストテレス
ずっと見せ場のないレースが続いていましたが、前走・大阪城Sでは0.4秒差の6着。復調気配を見せました。
スタートは出遅れ。1000ｍ通過58.6秒のハイペースだったので後方待機策は恵まれていますが、3着とは0.1秒差のところまで追い込んできました。マイル路線ならまだやっていけそうです。
本来、スタートが悪くない馬なので、スタートを決めて、位置を取れればチャンスがあっても。ただ、その位置を取るということがかなりの難題になりそうで。
12.ソーヴァリアント
前走・中山記念はプラス22キロ。4角では手応え良く進出してきて、伸びてきそうな気配もありましたが、失速。太めだったことや道中力んでいたことが響いたか。
前々走・マイルCSはスタートをヨレて出て、その後は躓く格好に。ハイペースを先行する形にもなったので度外視でも。
3走前の富士Sは中緩みのない超ハイペース。いきなりのマイルでこのペースは厳しかったと思いますが、3着ならマイルでの目処は立っています。
元々、前半スローのレースで強い馬。前半スローになりやすい京都マイルはピッタリでしょうが、外過ぎる枠を引きました。週中では狙う予定でしたが、取りやめて無印にします。
13.セッション
前走・ダービー卿CTは二の脚が速く2番手から。大逃げの2番手なら展開は恵まれているはずですが、直線がサッパリでした。
前々走・京都金杯は評価していましたが、大逃げの2番手で、3番手も離れていたことを考えれば、恵まれていたかもしれません。トゥードジボンが迫ってきてから粘ったのは評価できますが……。
3走前のキャピタルSはスロー。好位追走も、3角で外を回されて徐々に位置を下げました。直線も伸びてきましたが、インのアスクコンナモンダに差される競馬。
評価が難しいところですが、切れ味を武器にするタイプではないので今回は強みを生かせないと見ます。
14.ソウルラッシュ
前走・香港マイルはスタート五分から後方に控える競馬。大外からよく伸びて4着。ナミュールとはタイム差なしで、よく頑張っています。
前々走・マイルCSは出負け。道中は内目で、直線で馬場の真ん中に出す最高の騎乗ができました。惜しい2着。
3走前・京成杯AHは内枠から全くロスのない競馬で抜け出しました。
元々は道悪で勝ってきた馬ですが、高速馬場にも対応できる面は見せました。ただ、近走はかなり上手く乗れているのも確かです。
モレイラ騎手から団野大成騎手に乗り替わるのはマイナス。
外枠の差し馬という点は大きく減点です。
前有利と考えた騎手らが位置を取りに行く可能性は少なくないと思いますが、そこまでは上手く読みきれません。今回は出番ではないと見ます。
15.フリームファクシ
前走・東京新聞杯は内だったり前だったりが恵まれたレースで、本馬は外枠差しの形に。不利な展開だったので参考外でも。11着とはいえ、2着とは0.5秒差です。
前々走・京都金杯は外枠がカギだと考えていました。道中は外目で、直線も外でしたが、よく伸びて5着に健闘。アヴェラーレに交わされたのは決め手の差でしょう。
3走前・チャレンジCはテーオーシリウスの2番手でずっと力んで走っていました。その割には残り100ｍまで頑張っており、マイルの方が良いだろうと考えていた馬。未勝利では阪神内回りで33.6秒と速い上がりを使っているので、切れ負けもしないはず。
穴で狙える馬だっただけに、今回の外枠はショックが大きい！泣く泣く切ります。
16.ボルザコフスキー
近走はずっとハイペースで展開が恵まれている馬。キズナ産駒で道悪も得意なはず。
前走・六甲Sは馬場・ハイペースに恵まれており、インを突いたの良かったと思います。
前々走・阪急杯も比較的ロスなく乗れました。前の残る馬場だったとはいえ、3F通過33.9秒のハイペースで、L2が12.0-12.5と止まっていることからも展開は恵まれているはず。
3走前の洛陽Sは800ｍ通過45.5秒のハイペース。外差し馬場に沿った競馬はできており、ここでトランキリテに0.3秒差。
4走前のファイナルSもハイペースで恵まれた競馬。2.3着馬がオープン入りしており、3着ニシノスーベニアがダービー卿CTでも4着と頑張っています。そこまで差はないとは思いますが、超高速馬場のここでは手が回りません。
17.エエヤン
前走のダービー卿CTの時に「高速上がりに対応できないので中山向き」だと書きました。3F通過は35.5秒と遅く、その後の5Fを緩めずに飛ばす逃げの形に。大逃げに持ち込めたのは恵まれたと見ています。
それ以前はハイペースに巻き込まれる競馬が多く、ほぼ展開不利。
昨年の毎日王冠は残り100ｍ付近で止まりましたが、馬券内までありそうな見せ場十分の競馬でした。
力は認めていますが、超高速馬場の京都は大きく割り引く必要があるでしょう。

L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています（Lはラストの「L」になります）。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。