馬番 馬名 指数
1 ソールオリエンス 863
2 シャフリヤール 853
3 ホウオウエミーズ 831
4 タイトルホルダー 876
5 ドウデュース 896
6 ディープボンド 850
7 アイアンバローズ 838
8 ライラック 837
9 ヒートオンビート 845
10 ジャスティンパレス 874
11 ハーパー 834
12 ウインマリリン 849
13 タスティエーラ 882
14 プラダリア 852
15 スルーセブンシーズ 857
16 スターズオンアース 884
※指数最高値との差が50以内の馬の中から買い目を決めています。
第68回を数える暮れの大一番に相応しく、G1馬8頭を含む精鋭16頭が集結した。
今年はファン投票トップ10に入った6頭が出走。
(3位;ジャスティンパレス、4位;タイトルホルダー、5位;ソールオリエンス、6位;タスティエーラ、7位;ドウデュース、9位;ディープボンド)
ファン投票1位;イクイノックス、2位;リバティアイランドは出走しないが、1、2位がどちらも有馬記念に出走しないのは創設以来初めてのこととなる。
また、3世代ダービー馬(2021年シャフリヤール、2022年ドウデュース、2023年タスティエーラ)が揃ったのも史上初となる。
この通り、甲乙つけ難い実力伯仲の豪華メンバーが顔を揃えており、馬券的妙味も含めて近年にも増して注目される「クリスマスイブ決戦」を制すのは果たしてどの馬か。
◎5:ドウデュース(指数896)
第89代日本ダービー馬を、出走以来初めての本命に推す。
もちろん確かな根拠はあり後述するが、他馬との実力差は大きくなく、ハイレベルな混戦模様。
決め手は、「この馬とのコンビで有馬記念に出ることを復帰へのモチベーションにしてきた。」という武豊騎手の強い思いだ。
過去、幾多の名馬を導いてきた名手に、ここまでの気持ちを吐露させる存在になっていたとは、正直思わなかった。
それと同時に、プロ予想家である前に、一競馬ファンの身として、素直にこの人馬の復活に期待したかったところが大きい。
さて、戦績を振り返ろう。
ダービー制覇後の昨秋の海外2戦は、特有の重たい馬場に苦しんだ。
ニエル賞(仏G2)が0秒6差の4着、そして凱旋門賞(仏G1)は後方で脚をためるも、直線は全く見せ場なく19着に沈んだ。
ただし、馬場が合わなかったという敗因が明確で、度外視できる。
今年初戦の京都記念が、それを証明するかのような3馬身半差の圧勝劇だった。
後方3番手で悠然と脚をためるレース。
3ハロン標から外で進出を図って、4角では早々と前を射程圏に入れていた。
直線ではスムーズに手前を替えて、抜け出したあとは後続を離す一方。
まったくのワンサイドで力の違いを見せた。
その後は3走前のドバイターフを軽微な跛行で取り消し、休養へ。
そして7か月ぶりの実戦で、イクイノックスとの久々の直接対決となった2走前の天皇賞(秋)。
発馬は決まってが、道中は少し噛んで力んだ走りに。
直線は目一杯に叩き出されたが、本来の伸びは見られず失速。
久々も応えたが、武豊騎手の負傷により、直前の乗り替わりも不運だった。
ひと叩きされた前走のジャパンCでは、久々にこの馬らしさを見せて0秒9差の4着。
1完歩目は若干遅かったが、すぐにラチ沿いに張りつき、6番手のインに収まって、上手くリカバーできた。
直線でスムーズに外へ出し、懸命に脚を伸ばしたが、スターズオンアースに0秒1差まで迫ったところがゴールだった。
代打騎乗の戸崎騎手も2度目の騎乗ではあったが、主戦騎手とは勝手が違った部分もあっただろう。
ここは中3週と間隔が詰まっているが、叩き良化型らしく、更なる上積みが感じられる動きを見せている。
1週前追い切りでは武豊騎手が跨り、栗東CWコースで古馬オープンの僚馬ハーパーとの併せ馬。
一杯に追われた相手に対して、0秒7の追走から馬なりで併入した。
7F99秒0、5F67秒5、ラスト1Fは11秒0と好時計をマークしており、動きの良さが目立つ。
リラックスして走れており、鞍上の感触も上々。
元々が使いつつ状態を上げるタイプで、叩き3戦目でピークのデキに仕上がっている。
小回りの中山だが、弥生賞2着、皐月賞3着なら悪くなく、初距離もダービー快勝の内容から問題ない。
コーナーが6回あり、2週目3角過ぎあたりから徐々に上がっていくイメージが湧く。
ルメール騎手と川田騎手が活躍した今年。
「最後はこの人に締めて欲しい。」
決して少数ではない人たちの願いを乗せて、復活の人馬が最高のクリスマスプレゼントを届けてくれるだろう。
〇16:スターズオンアース(指数884)
全成績(3.4.4.0)と、一線級を相手にしながらも3着を外さない安定感は、現役トップレベルの実力と言っても過言ではない。
世代最強牝馬として、この強力メンバー相手にどこまで通用するかに注目が集まる。
昨年の牝馬クラシックでは惜しくも3冠制覇は逃したが、出遅れて流れが向かなかった秋華賞でも、0秒1差3着と負けて強しの内容だった。
改めて地力を示したのが、3走前の大阪杯だ。
秋華賞同様に出遅れたが、スタンド前では内外から締められて狭くなり、1列下げさせられたのが痛かった。
以降は外を回らずじんわり進出して、追い出しは直線を向き切ってから。
他馬の間にできたスペースを突いて素晴らしい伸びを見せたが、ハナ差届かなかった。
そして、確勝を期した2走前のヴィクトリアマイルだったが、差し届かずの0秒1差3着。
発馬も決まって好位5番手の内追走。
3〜4角もスムーズで直線に入ったところではもう2着馬を射程圏に収めていた。
ただ、追い出してからはいつもの豪快な伸びが見られず、最後は伸び負けの3着。
結果的に道中がスムーズ過ぎて、脚がたまらなかった。
鞍上のルメール騎手も、「距離は2000m以上あった方がいい。」と語っているように、マイルはやや忙しかった。
復帰予定だった天皇賞(秋)を蹄の不安で回避し、6か月半ぶりの実戦となった前走のジャパンCは、0秒8差の3着に好走。
外枠だったが、好スタートを決め、ポジションを取りにいった鞍上の好騎乗が好走要因のひとつ。
馬群が縦長になったことで、コースロスを最小限に抑え、人気馬2頭をぴったりマーク。
直線はしぶとく脚を伸ばして見せ場十分の3着だった。
中3週での大一番だが、休み明けを使った上積みは十分だ。
1週前追い切りでは、美浦ウッドコースで古馬1勝馬との併せ馬。
終い強めに追われた相手に対して、0秒7の追走から馬なりで0秒4先着した。
6F82秒6、5F66秒3、ラスト1Fは11秒4と終いの伸びは抜群だ。
前走時に比べると反応は着実に良化。
馬体の良さも目立ち、順調に調整ができた今回は間違いなく前走以上だ。
全3勝は東京と阪神外回りで、広くて直線が長いコース向きなのは間違いないだけに、トリッキーな中山2500mは決してプラスではない。
状態の良さでどこまでカバーできるか、絶好調の鞍上の手腕にも期待したい。
▲13:タスティエーラ(指数882)
古馬撃破での載冠を狙う3歳勢からは、この馬が上位争いの最級力だろう。
2走前のダービーは、皐月賞の借りを返す形でソールオリエンスを下した。
レースでは互角の発馬から二の脚がついて、好位5番手を追走。
道中の折り合いは完璧。大逃げした馬のペースで60秒4だから、この馬の位置ではスローペース。
十分に脚を残して4角を回ると、残り2ハロンから追い出す。
残り1ハロンで先頭に立ち、最後はソールオリエンスの猛追をクビだけ凌ぎ切った。
状態の良さと流れに乗り切ったレーン騎手の好騎乗が光った。
そして前走の菊花賞は、勝ち馬から3馬身半差の2着。
中位から運び、道中は外に壁ができないよう立ち回る。
後続の動きに構わずマイペースを守り、2周目3角から促していたが、スッと動けずソールオリエンスに先を越され、内に切り替える。
進路確保はスムーズで、馬込みから抜け出して前を追ったが、相手も止まらなかった。
5か月ぶりだった前走を使って、状態は順調に上向いている。
1週前追い切りでは、美浦ウッドコースで古馬2勝馬との併せ馬。
馬なりの相手に対して、1秒1の追走から終い仕掛けられて0秒2先着した。
6F80秒9、5F65秒5、ラスト1Fは11秒1と好時計をマークしており、心身ともにひとつ芯が通ったような印象がある。
ポンと出て前に行けて、そこでぴたっと折り合えるのが最大の長所で、小回りの中山向きの脚質。
このレースの為だけにR,ムーア騎手を呼び寄せて、陣営の勝負気配が伺える。
世界的名手とともに、積極的なレース運びで古馬有力馬の追撃を封じる。
△4:タイトルホルダー(指数876)
「このままでは終われない。」
期待されながらも結果が出なかった今秋の戦いぶりからは、そういう心の叫びが聞こえてきそうだ。
G1を3勝しながらも、近走がおよそ本来の走りとは程遠い内容だからだろう。
日経賞を前年より2キロ重い斤量で連覇して、圧倒的1番人気に推された天皇賞(春)だったが、初めて経験する京都の下り坂で走りがバラけてしまい失速。
そのまま競走中止の憂き目に遭った。
結果論だが、59キロを背負って不良馬場の日経賞を快勝したことによる見えない疲労があったのかもしれない。
幸い大事には至らず、夏場は牧場で順調に過ごし、満を持して挑んだ2走前のオールカマーだったが、1馬身1/4差の2着。
抜群のスタートから単騎逃げに持ち込み、後続を離しながらも落ち着いた流れに持ち込む。
ここまでは思惑通りだったが、マクってきた馬に早めに来たのは誤算だったか。
それでも振り切って押し切りを狙ったが、外から勝ち馬に交わされると、最後は3着馬にも際どく迫られた。
ただ、競走中止からの休み明けで、その影響はあったのかもしれない。
ひと叩きされた前走のジャパンCは、型通りにレースぶりが良化。
スタートを五分に出ると、逃げ馬を行かせて2番手は大方の予想通り。
大きく離れた2番手以降はスローペースで、直線の瞬発力勝負は分が悪かったが、しぶとく流れ込んで入着を果たした。
決して得意ではない東京コース特有の高速決着でも踏ん張っており、良い頃の雰囲気が徐々に戻りつつある。
それを証明するかのように、この中間は本来の動きを取り戻している。
今週の追い切りでは横山和騎手が跨り、美浦ウッドコースで古馬オープンのホウオウルーレットとの併せ馬。
強めに追われた相手に対して、1秒2の追走から馬なりで0秒2先着した。
5F64秒6、ラスト1Fは11秒6と好時計をマークして万全の態勢だ。
東京コースでの走りも悪くは無かったが、舞台替わりが一番プラスに働くのがこの馬だろう。
中山コースでは(4.2.0.4)、2500mに限ると(2.0.0.2)と、いわゆる「中山の鬼」。
高速決着だった天皇賞(秋)を使っていない分だけ消耗は少なく、距離延長も好材料。
ここは本来の逃げが打てそうな組合せで、引退レースでもこの馬らしさ前回の走りが見られそう。
近走内容から人気は無さそうで、マークが緩むようだと、自ら花を添える可能性もある。
△10:ジャスティンパレス(指数874)
昨秋から今春にかけて飛躍を遂げた1頭。
2歳時にはホープフルSで2着に好走するなど、早くから素質の片りんを見せていたが、3歳春のクラシックでは結果が振るわなかった。
ところが昨秋初戦の神戸新聞杯を3馬身半差で快勝すると、続く菊花賞では0秒1差の3着に好走した。
昨年の有馬記念では、勝ち馬から1秒1差の7着まで。
力負けの格好だが、菊花賞激走後で余力が無かったこともあっただろう。
今年初戦の阪神大賞典では、決め手が生きる流れも向いて、0秒3差の快勝。
そして勢いそのままに、続く天皇賞(春)を快勝し、G1初制覇を飾った。
手綱を取ったルメール騎手に「長い距離ならG1レベルの馬。」と言わしめる能力の高さ。
その後は宝塚記念を0秒2差3着に好走すると、4か月ぶりの実戦となった前走の天皇賞(秋)では、0秒4差の2着と地力を示した。
若干の出負けから後方待機。
4角手前でも動かず、4角をタイトに回ると徐々に外へ出し、残り300m付近から一気に伸びてきた。
ディープインパクト産駒らしい素晴らしい切れ味を引き出した好騎乗が光った。
ジャパンCをパスしたことで順調に調整でき、仕上がりは上々だ。
1週前追い切りでは横山武騎手が跨り、栗東CWコースで古馬2勝馬との併せ馬。
一杯に追われた相手に対して、こちらも一杯に追われて0秒8先着した。
7F96秒9、5F65秒9、ラスト1Fは11秒8と、格下相手だが大きく離しており、状態の良さが伺える。
中山でもホープフルS2着簿良績があり、マイナスにはならないだろう。
半兄アイアンバローズは6歳暮れに初めて重賞を制し、自身もまだ成長の余地がある。
前で運ぶ有力各馬は強力だけに、早め進出の競馬でも前走のような走りができれば、好走が期待できる。
※出走馬全頭解説
・1:ソールオリエンス(指数863)
クラシック三冠で1着、2着、3着。
中山では重賞ばかり3戦して(2.1.0.0)と得意にしている。
外から追い込むケースがほとんどで、道中のロスは少なくないはずだが、それでもまったく崩れていない。
距離短縮、舞台替わりともにプラスで、古馬初対戦でも斤量差を生かせば食い込める余地はありそう。
ただ川田騎手を確保したとは言え、テン乗りでは外から追い込むレースになるだろうし、この相手に今まで通りの競馬が通用するかは未知数だ。
・15:スルーセブンシーズ(指数857)
5歳を迎えて本格化。中山牝馬Sで重賞初制覇し、宝塚記念でイクイノックスにクビ差。
最強馬に詰め寄る場面があった程で、成長著しい。
凱旋門賞に遠征し、後手に回ったのは痛かったが、4着は立派な成績。
中山では(4.1.2.0)と3着を外していない得意コース。
海外遠征帰りだが、放牧先でも乗られており、帰厩後すぐに追い切りで好時計をマーク。
仕上がりは万全で、テン乗りのハンデを能力でどこまでカバーできるかだろう。
・2:シャフリヤール(指数855)
一昨年のダービー馬で、その後もドバイシーマクラシックを制するなど、第一線で活躍している。
前走のBCターフでも0秒2差のい3着に好走しており、衰えは感じられない。
ただ、その後予定していた香港ヴァーズを使えず無念の帰国。
白井競馬学校での検疫から直接中山競馬場入りして臨む今回は、さすがに臨戦過程の狂いは否めず、厳しい戦いを強いられそうだ。
・14:プラダリア(指数852)
前走の京都大賞典で久々の重賞制覇。
2400mのG2を2勝しており、この距離も問題なさそう。
中山コースは初めてだが、重馬場の前走を快勝したように力の要る馬場は合いそう。
戦績から、一線級とはやや力の差がありそうだが、仕上がりの良さでどこまで食い込めるかだろう。
・6:ディープボンド(指数850)
前走のジャパンCは、決め手を要求される展開で、この馬には不向きだった。
一昨年のこのレースで2着に好走しているように、舞台実績は十分。
ひと雨降るか、ハイペースの持久力勝負になれば出番がありそうだが、テン乗りの鞍上が新味を引き出せるかにもかかっている。
・12:ウインマリリン(指数849)
前走のBCフィリー&メアターフを0秒2差の4着と好走。
検疫の関係で入厩が遅れた為、1週前追い切りでは僚馬ソールオリエンスとの併せ馬でしっかり負荷をかけられた。
6歳でも衰えは感じず、意外にも中山コースでは4戦4勝と滅法得意。
昨年の香港ヴァーズを勝っており、格負けもしていない。
来日後いまいち波に乗れていないモリス騎手が、テン乗りで上手く捌けるかがカギになる。
・9:ヒートオンビート(指数845)
昨秋からG2を5戦して(1.0.2.2)と大崩れせず善戦している。
中山実績はもう一つだが、目黒記念勝ちなど距離はベスト。
前走の京都大賞典3着から更なる相手強化で条件は厳しいが、良馬場でスムーズに運べれば善戦は可能だろう。
・7:アイアンバローズ(指数838)
前走のステイヤーズSで重賞初制覇。
後ろを離して逃げたが、マイペースの持久力勝負に持ち込んで良さが出た。
中2週での一気の相手強化ではさすがに厳しく、ハナも切れそうにないここは、番手からの早めの競馬でどこまでやれるかだろう。
・8:ライラック(指数837)
近走は府中牝馬Sで0秒1差3着、前走のエリザベス女王杯では0秒3差の4着と好走しているが、過去の重賞好走歴を含めても、いずれも牝馬限定戦。
牡馬相手の重賞では全て4着以下に敗れており、スムーズに運べたとしても入着があるかどうかだろう。
・11:ハーパー(指数834)
今年の牝馬3冠で4着、2着、3着。
前走のエリザベス女王杯でも3着に好走しており、牝馬同士ならトップレベル。
引き続き状態は良く、距離もコースもこなせそうだが、牡馬一線級が集う古馬混合G1では、さすがに荷が重そう。
斤量差を生かして、入着があれば御の字だろう。
・3:ホウオウエミーズ(指数831)
前走の福島記念で重賞初制覇。
牡馬相手に差し切った内容は評価できるが、ここは戦ってきた相手が今までとはまるで違う。
前走から2キロ増の斤量56キロ、距離も一気の延長での初距離では、厳しい戦いを強いられそうだ。