京都競馬場は今年春に大規模改修工事を経てリニューアルオープンされましたが、芝の路盤についても全面的な刷新作業が行われた上で芝が張られたとのことで、重厚なタイプの活躍が目立った工事直前の開催と比較して、これまで父ディープインパクト系と馬体重が小さい小型馬の活躍が目立っています。
実際に先週の重賞ファンタジーSはここ10年では最も早い時計での決着で、馬体重420キロ台の小型馬によるワンツースリー決着となり、また2着のドナベティは出走馬で唯一の父ディープインパクト系のリアルスティール産駒でもありました。
京都以外の中央3場は広いコースだったり急坂コースだったりで、そもそも大型馬が有利になりやすいコース設定であるのに対して、中山に次いで直線が短いコースであり平坦性が強いコースの京都は、そもそも比較的小型馬有利のコースとなっていました。
その上で、上述した通りの馬場刷新効果もあってか、今年の京都の特に中距離以上のレースにおいては、馬体重420~439キロの馬が最も高い好走率をマークしているなど例年以上に小型馬有利の傾向が出現しています。
それらを踏まえて今年のエリザベス女王杯で狙い撃ちたいのが、出走馬で唯一のディープインパクト直仔であり、馬体重420キロ台の小型馬という今の京都芝コースで強調できる要素を兼ね備えているサリエラです。
前走新潟記念では1番人気を裏切る7着に敗れていますが、同レースは新潟外回りコースらしく馬体重の大きさが物を言うレース傾向となっており、実際に馬体重439キロ以下の小型馬は過去10年で全滅していました。それに加えて、血統的に不向きな最内枠条件と、中間に一頓挫あった調教過程というマイナス材料のオンパレードだっただけに、全く悲観する必要はない敗戦だったと言えます。
一転して小型馬が有利なコース条件替わりと、血統的に得意とする外枠替わり(母サロミアの仔は7枠だと14戦11連対)と、攻め強化されている調教過程の今回はガラリ一変まで期待できる局面と見ます。
対抗には、母父ディープインパクトであり、馬体重420キロ台の小型馬のマリアエレーナを推します。
前走オールカマーでの牡馬の強敵相手に2着まで0.0秒差の4着ならば大健闘と言って良い走りで、そこから得意とする平坦コース替わりの今回は更なる走りが見込めるはずです。
3番手はジェラルディーナ
3歳牝馬と古馬牝馬が初めてぶつかり合うG1レースがこのエリザベス女王杯ですが、そこで重要になってくるのが各世代間のレベル差です。
この秋競馬の3歳上重賞オープン競走では、先週みやこSを勝利したセラフィックコールなど3歳馬の活躍も目立っていますが、実はそれらのほとんどは牡馬によるものであるという点で注意が必要です。
実際に3歳牝馬は今年これまでの3歳上重賞オープン競走で[1-1-0-17](複勝率10.5%)と低調な成績で、全体的に人気に応えられないというシーンがかなり目立っています。
それを踏まえた上で、3歳馬の人気2頭よりも、古馬のパフォーマンスレベル最上位のジェラルディーナを次に評価します。
ジェラルディーナは前走オールカマー後に『この中間は8月には坂路閉鎖中のノーザンファームしがらきでの調整で、トレセンに帰厩後も遅い時計を3本のみという調整で、元来叩き良化型ということもあって走り切れる態勢になかったと推察されます。過去のシーズンも休み明け初戦は平凡で2~3戦目から上げて来ているだけに、今シーズンもそれらと同じことが想定できます。』と記した通りで、叩き2戦目で攻め強化の今回は変わってくる可能性が高いです。