中京芝1200mはスプリント戦のスペシャリストというよりも、1400mや1600mに実績のあるタイプが走りやすいコースで、今年の高松宮記念２着馬ロータスランドは初の1200m、３着キルロードの主戦場は1400m。また去年の高松宮記念で２着だったレシステンシアは初の1200m戦で、セントウルＳはマイル戦からの距離短縮。高松宮記念３着インディチャンプも初の1200m。さらに一昨年の高松宮記念２、３着のグランアレグリア、ダイアトニック、ついでに１位入線降着クリノガウディも初の1200m。さらにさらに一昨年のセントウルＳで大穴をあけたメイショウグロッケも1200m初挑戦だった。
G２よりもタフな流れになる高松宮記念で初の1200m挑戦馬が多いのは事実だが、近３年（2019年〜）に行われたこのコースの３勝クラス以上のレース26鞍のうち半数の13鞍で距離短縮馬が勝利しているように、やはり1400m以上のレースで好走してきた馬が強いコースであるのは間違いない。
今回の出走馬のなかで初の1200mとなるのはソングライン。そしてソングライン以外で、前走からの距離短縮となるのは内枠からメイケイエール、ダディーズビビッドの２頭。
また、中京芝1200mの血統ランクを見ると（上記と同条件）、ロードカナロアが７勝を挙げて他馬を圧倒。そのほか複数勝ちをしているのはダイワメジャーとゴールドアリュールの２勝だから、その無双ぶりがわかるというもの。ちなみにダイワメジャーで1200mを勝てるのは基本的に牝馬なので（このコース２勝も牝馬によるもの）、牡馬は相手にこそっと入れておくぐらいがちょうどいい感じ。

これらを踏まえて本命はメイケイエール。ご存知暴走娘だが、前走はスローの東京芝1400mでなんとか我慢したのは評価できるところ。距離短縮で前走よりも溜めを利かせやすい流れで勝ち負けまで期待したい。
そして対抗評価にダディーズビビッド。こちらも前走からの距離短縮組だ。キズナ産駒は同コースでの成績は決して良いとは言えないものの、自身はすでにこのコースで結果を残している点を評価。母父フレンチデピュティが同コース向きで、これが効いている印象。
３番手はロードカナロア産駒ファストフォース。近走は落鉄などもあって低迷しているが、調教からは風潮気配を感じる。近２走はテンが速すぎた影響もあって伸びきれなかったが、中京芝1200mはテンのスピードはさほど上がらず溜めが利くコース。巻き返しに期待したい。
なお、初の1200m戦となるソングラインは△まで。血統的にも推せず、自身もスパートするときにひと呼吸置かれるところがあり、根がスプリント戦を走れるタイプではなく、これまでの好走馬とは逆に距離を延ばしたほうが面白そうな馬。ここを使ったあと、次走のアメリカ遠征に期待したい。