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中京記念

07/23(日) 中京 芝1600 サラ3歳上オープン (国際)(特指)ハンデ

netkeiba編集部の予想

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※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 夏のマイル重賞として生まれ変わって今年で6年目。過去5年間の馬連配当が順に、4950円、22000円、20090円、17070円、5110円ですから、気持ちのいいくらいに波乱の連続です。10番人気以下が4頭馬券圏内に入っているのに対して、4番人気以内の連絡みはゼロ。馬を使う側も馬券を買う側も、どういう馬が向いているのかさっぱりつかめていない、というのが現状ではないでしょうか。

 夏の中京は梅雨時期の開催のため馬場が荒れやすく、コースバイアスが微妙ですし、また極端に時計が速くなることがないので、スピード面のハードルも低くなります。そもそもマイル戦は他ジャンルからの参入が容易な条件で、さらにくわえてハンデ戦。チャンスがある馬がわんさといて、ゴール前で横一線の大接戦になるのが恒例です。先週の函館記念に続いて、難儀な重賞が続きますね。

1.過去の実績馬が復活する

 2014年のサダムパテックは、前々年のマイルCS以来1年8か月ぶりの勝利でした。一昨年の勝ち馬スマートオリオンも前年のオーシャンS以来の重賞制覇でしたし、2013年、2014年と連続2着したミッキードリームは、2011年の朝日杯チャレンジCの勝ち馬でした。去年の勝ち馬ガリバルディにも3歳時に京都新聞杯3着した実績があって、重賞挑戦はそれ以来の久々。このように「距離はともかく」過去に重賞で好走した経験がある馬がここで復活する、というパターンが毎年繰り返されています。逆に、過去5年の連対馬で過去に重賞3着以内がなかった馬は、一昨年2着のアルマディヴァンただ一頭だけ。

2.自分の競馬に徹するのが吉

 追い込み馬の活躍が目立つレースで、4コーナーの通過順位が10番手以降だった馬が過去5年間に4勝して、9頭が3着以内に入っています。だからといって差し・追い込み一辺倒かというとそうではなくて、残る1年の勝ち馬は4コーナー3番手でしたし、先行馬が5年で3頭連対しています。つまり、行くにしろ控えるにしろ、思い切った競馬をする馬が有利である、という傾向です。理由を探るならば、直線は大渋滞になるのが当たり前なので、進路を早めに確保して脚を使い切ることがなにより重要なのではないかと。

3.馬格が必要

 過去5年の連対馬でもっとも軽い馬体重は、2012年2着のショウリュウムーンの470kg。この馬を含めて馬体重が480kg未満だった馬は[0-1-1-27]であるのに対して、馬体重480kg以上が[5-4-4-38]ですから、ここをボーダーと考えていいでしょう。器用さよりも強引さが求められるレースであると想定するならば、馬格がないと好走しにくくなるのは、理の必然ではあります。

 馬柱を初見した段階では、ここはブラックムーンかなと思ったのですが、過去3度の重賞挑戦で6・9・8着。それぞれ言い訳の余地がある敗戦ではありますが、重賞では壁にぶつかっているという現状に違いはありません。もちろん、ミルコ・デムーロ騎手とのコンビ結成でハードルを超えてくる可能性はありますが、ベストパフォーマンスを更新することが的中の前提となる馬券を、人気になることが必至の状況で買うのは、あまり賢明ではないような気もします。

 重賞実績という観点で馬柱を眺めると、重賞勝ち馬はメンバー中2頭。そのうち、馬体重ファクターをクリアー、また「思い切った競馬をする」ことがほぼ確定しているワンアンドオンリーが、本命候補として残ってしまいました。言わずと知れた2014年のダービー馬で、2000m未満の距離に出走するのは2歳時以来のことです。しかしながら、母も祖母もスプリンターでしたし、この馬も未勝利勝ちは芝1600m。クラシック時分は、血統的な面から距離延長を不安視する声も少なからずありました。

 ダービー馬の再生に向けて、再コンビを結成した横山典弘騎手が前走目黒記念でこの馬に課したのは、ギリギリまで我慢して最後に脚を爆発させる競馬。結果は10着でしたが、近走集中力を失っていたこの馬が最後まで脚を使い続けたことは収穫でした。マイル戦への転身は横山騎手の進言があってのこと。べつにどこか身体的に悪いところがあっての不振ではないのですから、カンフル剤として距離短縮での追い込みは打ってつけです。斤量を背負うことが不利ではないレースですし、ここで勝ち負けしてもべつにそれほど驚くようなことでもないでしょう。

 追い込みでの狙いがワンアンドオンリーならば、先行で狙いたいのがサンライズメジャー。前走の安田記念は12着に大敗しましたが、速い流れでロゴタイプ以外の先行馬が壊滅したことを思えば、恥じる必要のない内容でした。むしろ、前走で厳しい流れを経験したことで、今回はたいていのペースなら楽に感じるはず。過去にG2で三度の連対実績を持つ実力馬であり、近走内容からは8歳馬といって割り引く必要はありません。

 グァンチャーレはもう一頭の重賞勝ち馬(シンザン記念)。古馬になってからはオープン特別を勝ち切れませんが、キレ味の差で劣ったという印象の敗戦ばかりで、重賞で厳しい流れになったほうがむしろ底力が活きる可能性があります。レッドレイヴンはオープン特別大将のイメージがありますが、ワンターンの重賞ということでは東京スポーツ杯2歳Sでの2着があります。7月に2勝を挙げているように夏場が得意な馬で、初のマイル挑戦も時計がかかるようなら。

 グランシルクは重賞の上位常連で、マイルも守備範囲です。ただし、関東圏でばかり使われている馬で、輸送競馬では昨冬の阪神カップ(7着)があるだけなのがどうか。ダノンリバティは昨年武豊騎手で5着でしたが、強気に先行する松若風馬騎手ならば去年とは別の結果が臨めるはず。キレ味に秀でたタイプではないので、馬場が荒れるほどチャンスが広がります。

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