函館スプリントSが行われる芝1200mは、前半で坂を上って、後半で坂を下るコース。このため、本来はペースが上がりにくいのですが、高松宮記念以来の芝1200m戦となるために、トップクラスのスピードタイプが集い、意外とペースが上がるのがポイント。ただし、開幕週の高速馬場、年によっては超高速馬場で行われるため、ある程度、ペースが上がっても前から押し切れているのが実情です。
今回も内からセイウンコウセイ、ダイアナヘイロー、ワンスインザムーンと逃げ馬が揃った一戦。逃げなければ持ち味が生きないワンスインザムーンは何が何でも逃げたいはずですが、同馬はテンが遅い馬。セイウンコウセイが第二のロードカナロア(最内枠から出して行かなかったために、4コーナーから前が詰まって2着に敗れる)のようにならないようにと、池添騎手ならばある程度、積極的に出して行くでしょう。ダイアナヘイローは今年の高松宮記念でセイウンコウセイと競り合って最下位に敗れたことから、競り合わずにセイウンコウセイの2番手を狙う可能性が高いはず。
今年は、昨年1分07秒6のレコード決着となったHTB杯(1000万下)が1分07秒9だったように、昨年よりは少し時計を要しているものの、超高速馬場と言ってもいいレベル。昨年はシュウジが暴走して前半3F32秒2で通過したことにより、前が崩れて1分06秒8のレコード決着となりましたが、通常は速くても33秒台前半。セイウンコウセイが逃げる展開ならば、前半3F34秒台前半で決着タイムが1分07秒半ばくらいでしょう。これくらいのペースならば、十分前から押し切れるはずですが……。個人的には、前中心で予想を組み立てたいレースです。
よって、◎には、昨年の高松宮記念の覇者(1)セイウンコウセイを推します。この馬は、昨年のこのレースでシュウジと競り合いを演じた後、調子を崩してスランプ状態でしたが、3走前のシルクロードSでは逃げて2着と復活の兆し。前々走の高松宮記念でも押して押してハナを主張し、途中で競って来たダイアナヘイローを競り落として勝ち馬と0.3秒差(6着)。前走の京王杯スプリングCは、G1を大目標にした後の一戦の上に距離も長く、ペースも速かったために12着と失速しましたが、それでも着差は0.5秒差。今回は芝1200mで前記したようなペースならば、この馬の前へ行っての押し切りが濃厚でしょう。
○は、ここへ来て地力をつけて今年の淀短距離Sを制した(3)ラインスピリット。前々走の高松宮記念は、大外枠から出遅れてロスの大きい競馬で15着大敗を喫しましたが、前走の京王杯スプリングCは巻き返して勝ち馬と0.2秒差(5着)。厳しい流れを先行して善戦していることにも好感が持てます。
▲は、昨年のこのレースの覇者(4)ジューヌエコール。昨年は展開と斤量50kgに恵まれたところはありますが、桜花賞からの一気距離短縮で通用したのは、スプリント適性が高い証。近2走は2桁着順大敗も、立て直されての変わり身を期待しました。
以下特注馬として、展開に恵まれたとはいえ、前々走の阪急杯を逃げ切り勝ちした(2)ダイアナヘイロー。前走・高松宮記念は、オーバーペースで逃げるセイウンコウセイに競りかけたために18着と失速しましたが、前走で厳しい流れを経験したことが、今回での粘り強化に繋がるはず。
△に重賞勝ちの実績こそないものの、近走は重賞で善戦、前走の高松宮記念でも勝ち馬と0.1秒差(3着)の(7)ナックビーナス。しかし、今回は、前走で展開に恵まれて自己ベスト指数をマークした後の一戦。立て直されてはいますが上積み「?」で下の評価となりました。
あとは昨年のこのレースの2着馬で、今年はオーシャンSで初重賞制覇を成し遂げた(13)キングハート。前々走で自己ベスト指数をマークした後の前走・高松宮記念は10着と崩れましたが、着差は0.6秒差。立て直されての今回は、変わり身を警戒しました。
他では昨秋のスワンSの2着馬で、芝1200mでも3走前のオパールSで2着の実績がある(9)ヒルノデイバロー。復帰戦の前走・阪急杯は17着大敗も、再び立て直されて、今度こそ変われる可能性もあります。
最後に休養明けの前々走で準オープンを制して、前走の鞍馬Sでも早め先頭からハナ差の2着の(15)ライトフェアリー。今回は外枠に入ったことでロスの大きい競馬になりそうですが、近走の充実ぶりを考えると侮れないでしょう。