PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にステラヴェローチェ(-20.0pt)、ピンハイ(-19.7pt)、ショウナンマグマ(-17.3pt)、グラティアス(-16.7pt)、オニャンコポン(-16.0pt)。
能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。
◎ (4)ステラヴェローチェ
2歳時から活躍し、2021年のクラシックロードでは皐月賞3着、日本ダービー3着、神戸新聞杯1着と世代トップ級の能力を示してきた馬。菊花賞は休養明けで不良馬場の神戸新聞杯で自己最高指数を記録した反動で勝ち馬タイトルボルダーから5馬身離された4着と敗退したが、その次走の有馬記念では巻き返して4着と好走した。
その有馬記念は9番枠から出遅れたが、そこから促して中団やや後方まで挽回。エフフォーリアを徹底マークで進めて、向正面では同馬の後ろでややスペースを作って3角に入る。3〜4角でエフフォーリアが仕掛けて行くとその直後を狙って、4角の外から積極的に仕掛ける。直線序盤で4列目付近からジリジリと伸びて、ラスト1Fでは3列目。クロノジェネシスとの叩き合いになったが、それに敗れて半馬身差の4着となった。
パンサラッサがかなりハイペースで逃げたことで、中団やや後方でレースを進めたステラヴェローチェは展開に恵まれた面がある。それでも4角大外から動いて3着クロノジェネシスに食らいついていった内容は強く、生涯最高の指数を記録したエフフォーリアと0.2秒差だから、本来はリステッド競走に出走してくるような馬ではない。
ステラヴェローチェはその後の日経新春杯で2着に善戦し、ドバイシーマクラシックで9着に敗れた後、屈腱炎を発症し、長期休養を余儀なくされた。しかし、復帰後の2戦は芝、ダート1600m戦と不適な舞台。無理をさせずに徐々に状態を上げるよう、とてもよく考えられた臨戦過程である。今回は芝1800m戦でおおよそ全能力を出せるだろう。トップハンデ58.5Kgではあるが、(5)ショウナンマグマがある程度、ペースを引き上げてくれる点も好ましく、ここでの復活を期待する。
○ (13)ピンハイ
前走の中日新聞杯の3着馬。前走は15番枠から出遅れ。外からスパイダーゴールドが同馬の進路をカットするように好位に進出して行ったので、無理なくじわっと中団外に持って行く形。道中も中団外からじわっと進出し、3〜4角では一番外からロスを作りながら勢いに乗せて直線へ。序盤で追われるとジリジリ伸びたが、まだ中団列。しかし、ラスト1Fでもしぶとく伸び続け、外のハヤヤッコにクビ差かわされたが、3着と好走した。
前走はピンハイをマークで乗っていたハヤヤッコの思うツボ。3〜4角でペースが上がって行く中で、一番外から強気に仕掛けなければ、同馬に先着していた可能性が高い。ただし、前走はそこまでレベルが高くなく、オープンレベルの指数。今回も近2走くらいは走ってくると見ているが、◎(4)ステラヴェローチェが復活するパターンを想定すると、勝ち負けまでは厳しいだろう。
▲ (7)グラティアス
先週の中山記念の2着馬ドーブネが勝った4走前のポートアイランドSの2着馬。4走前はワールドリバイバルが逃げて、前後半4F48秒1-45秒4のかなりのスローペース。グラティアスは5番枠から好スタートを切って、3番手を追走していたが、外からドーブネが前に入ってきたので、同馬をマークして3〜4角の外から動いて行く。直線序盤でドーブネの外に誘導して追い出されると半馬身差まで迫るが、そこからかわせない。最後にドーブネがもうひと伸びして3/4差の2着となった。
4走前は前有利な展開。しかし、ドーブネと小差のレースができたことは評価できる。次走のカシオペアSは差し馬有利の展開を2番手でレースを進めて7着敗退、その次走のリゲルSは先行馬有利の展開を最内枠で外から被され、後方からの競馬となっての7着敗退。しかし、前走のニューイヤーCは2着に巻き返せている。またその前走も3〜4角で好位の内目で包まれて、直線では前が壁。外に出すのに苦労していたが、進路ができるとスッと伸びて勝ち馬パラレルヴィジョンと1馬身差だった。今回で展開とレースぶりが噛み合えば、上位争いが期待できる。