フローラSは、みなさんもご存知のオークスのトライアル。このレースは桜花賞から中1週で行われるため、桜花賞組の参戦はほどんどありません。そのためレベルが低い年もありますが、昨年の優勝馬モズカッチャンなどのように、遅れてデビューした大物が出現することもあります。
2016年のオークス2着馬チェッキーノも、2013年オークス3着馬デニムアンドルビーも、2010年に史上初のオークス同着を決めたサンテミリオンも、このレースの優勝馬です。今年は桜花賞組の層が厚いですが、桜花賞路線と別経由のキャリアの浅い馬が勝てば、オークスでも上位に食い込めるチャンスはありそうです。
また、フローラSの脚質傾向は、いたってワンパターン。ストレートが長い東京芝2000mの舞台は、本来、差し、追い込み馬でも十分に勝ち負けを意識できますが、このレースはまだ、体力のない3歳牝馬の対決。しばしばスローペースの前から押し切りが決まります。いや、過去10年を見てもパンパンの良馬場、超高速馬場でスローペースにならなかった年は一度もありません。年はありません。(平均ペースの2016年度は良馬場発表も、午前中の雨の影響あり)
実際にこのレースの過去10年を見ても、1番人気を裏切っているのは、2017年ホウオウパヒューム、2016年ビッシュ、2014年マジックタイム、2009年ミクロコスモスなどのように、4コーナー10番手以下だった馬たちばかりです。また、中団くらいで立ち回れば前まで届くこともありますが、その場合は昨年のモズカッチャンのようにイン強襲がほとんどです。
本日は、パンパンの良馬場。高速馬場。やっぱり前を意識して動いて行ける馬でなければ、苦戦するでしょう。逃げ、先行馬を本命とし、中団よりも前で立ちまわれることを前提に馬券を組み立てたいです。
よって、◎には、新馬戦、アスター賞を連勝、休養明けの前走・フラワーCでも2番手からしぶとく粘って3着と好走した(16)ノームコアを推します。この馬は外枠は不利な東京芝2000m、さらに開幕週の大外16番枠ということで人気を落としましたが、前を意識して動いて行ける馬なので外枠でも問題ありません。この枠だとコーナーロスを嫌って逃げる可能性が高いですが、スローペースならばそういう競馬でも通用とみて本命馬としました。
○は、休養明けの前々走・500万下では、後の共同通信杯の優勝馬オウケンムーンと0.2秒差(2着)に好戦した(13)ヴェロニカグレース。前走では休養明け好走の反動が出て指数を下げましたが、3戦目の今回は巻き返しが期待できるでしょう。
▲は、ウルトラスローペースの新馬戦ではダービー2着馬候補のブラストワンピースを相手に6着と完敗を喫しましたが、メンバー中で3位(最速馬とは0.1秒差)の上がり3Fを駆使できていたことは評価できる(8)ラブラブラブ。新馬戦で上位の上がり3Fを駆使した馬たちがズムーズに未勝利戦を勝ち上がり、スプリングSや弥生賞でも善戦していたことを考えれば、この馬も前走・未勝利戦で勝ち上がって当然。人気以上に素質の高い馬であることは間違いありません。
しかし、ゲートが不安定で、後方からの競馬になりすぎる可能性もあるので3番手評価までとしました。もっとも、この馬は前走のように道中でも動けるので、大きな減点材料でもありませんが('◇')ゞ。
以下特注馬として、派手な出遅れから二の脚を利かせて追い上げ、最後まで減速することなく抜け出して勝利した新馬戦の内容が素質馬そのものの(1)サラキア。前走のチューリップ賞では、新馬戦で見せた資質に期待して本命馬としましたが、大外10番枠から大きく立ち遅れて折り合いに専念する競馬。前有利のペースを考えると致命的な出遅れでした。
しかし、直線で馬群を捌きながらの競馬、ペースが上がったラスト2F地点で窮屈になる場面がありながらも上位馬と遜色ない上がり、それ以上の末脚を見せられていたのは確か。素質は確かながら、ゲートが致命的に悪く、今回はさらに最内枠なので、特注馬の扱いとしました。
△にデビューから上昇一途の(4)サトノワルキューレ。前走・芝2400mのゆきやなぎ賞で後方からレースをした後の一戦になるので、今回で後方からのレースになる可能性もあります。ただし、前走では向こう上面から動いて完勝したように、持久力が非凡。1番人気に支持されるほどの馬かどうかはともかく、押えておいたほうがいいでしょう。
あとは、前々走のエルフィンSでは、勝ち馬レッドサクヤと0.1秒差(2着)の(5)ノーブルカリナン。前々走はサヤカチャンが先手を取って淀みない流れ。速い流れを出負けから勝負所で上がって行った内容は、勝ち馬以上のものがあるので、ここは買い目に加えました。前走のフラワーCは前々走で自己ベスト指数をマークした後の一戦に加えて、大外枠から外々を回る競馬。7着凡退も仕方がないでしょう。巻き返しに期待します。
他では、休養を挟んで新馬戦、菜の花賞を連勝した(10)オハナ。しかし、前走のクイーンCが、差し、追い込み馬有利の流れになりながらも4着止まりという競馬。休養明け好走の反動があったにせよ、やや不甲斐ない内容で狙い下げました。新馬戦や菜の花賞のように前半のスローペースでしっかりと脚をタメれば変われる可能性もあります。
最後にデビュー2戦目のフェアリーSでは後方から追い込んでの3着、前走・ミモザ賞では距離延長で先行策から抜け出して勝利した(12)レッドベルローズ。今回の距離ならば、前を意識して動いて行くことはできますが、今回は前走で自己ベスト指数をマークした後の一戦になるために狙い下げました。前走は前々走・クイーンCで出負けしてまともなレースが出来ていなかったこと、前走が前有利の流れに乗れたことで、一気に指数を上昇させた節があります。つまり、今回でダメージが出る可能性もあるということです。