2016年、2回東京開催開幕週に行われた芝2000mは全部で4レース。その1着馬の調教タイプを列記すると馬ナリ平均坂路主体、標準多め併用、馬ナリ平均併用、馬ナリ平均併用でした。東京芝2000mは通年して、追い切り本数多い併用系統の調教タイプが最適ですが、春開催に関しては、追い切り本数以上に「併用系統」が重要になるということでしょう。
　加えて、前記4頭の1着馬のうち、3頭は「トラックのダブル最速」に該当していました。昨年のフローラSも3番人気チェッキーノがトラックのダブル最速に該当しており、13番人気3着アウェイクもトラックのダブル最速。ちなみに2着パールコードは2番人気でしたが、調教タイプが馬ナリ平均併用。つまり、昨年のフローラSは併用系統が馬券圏内を独占しています。
　併用系統とトラックダブル最速。これを重視すると、一杯平均併用でＴＷ最速に該当した◎ヤマカツグレースが自然と本命になります。休み明けだったフィリーズレビューは後方からのレースでしたが、5着まで差してくる内容。前走は押し出される形でハナに立つようなところもありましたが、最後まできっちり勝ち負けのレースで2着。どんな脚質でも実力を発揮できるセンスは素晴らしいものがあります。初めての東京競馬場の輸送に関しては「心配ないと思う」と担当の土屋均調教助手。デビュー戦の最終追い切りでは札幌2歳Sで人気したタガノアシュラに併せ馬で先着する動きを見せていた馬。タフな洋芝でもきっちり動けるパワーがあれば、この距離も全く心配ないと思います。
　○フローレスマジックは追い切り本数が少なかった前回の休み明けよりも今回の方が仕上がりは上。調教VTRからはまだまだ若さを感じさせる走りですが、やっぱり素質の高さは美浦所属馬ではトップクラスでしょう。
　馬ナリ平均併用でトラックのダブル最速という点では、本命にしてもよいくらいの▲ラユロット。春開催東京芝2000mでは2014年から3年で複勝率45%の藤沢和雄厩舎ですし、馬券に絡む確率は十分ありそうです。
　△ビルズトレジャーは軽目併用でトラックのダブル最速と昨年3着馬と同じ内容。調教VTRでの動きを見ていても、水平首で推進力が素晴らしい走りでした。3連複フォーメーションの2頭目はこの馬まで。
　☆ホウオウパフュームは中間に追い切り時計を出していない時期があり、調教VTRの動きもひと息。ここは冷静に押さえ評価にとどめています。注キャナルストリートは馬ナリ平均併用を評価。注ドリームマジックはトラックのダブル最速に該当。注ディーパワンサは本命と同じ一杯平均併用ですが、最終追い切り栗東坂路は割引。むしろトラックのダブル最速に該当した注レッドコルディスがレースの流れに乗ってくれば、かなり不気味な存在になりそうです。