中京芝1400mならアドマイヤムーンで一択なのだが、1200となると傾向は変わってきて、リーディング上位こそサクラバクシンオーやキングカメハメハ、ディープインパクトなどが占めているものの、単複回収率は6割から7割が主と心から信頼に足る数字も出ていない。そもそもディクタット産駒やメダグリアドーロ産駒やメジロベイリー産駒が好走する特殊条件をどう括れば良いものやら。

ただひとつ確定的なのは、中京の短距離におけるミスタープロスペクターの強さだ。エンドスウィープやキングマンボなど日本競馬で主要なミスプロ系列の血統は抜かりなく走れる。アンブライドルドやドバイミレニアムなどもきちんと走れているので見立てに狂いはないだろう。

今回の高松宮記念出走馬ではミスプロ父系の出身馬がティーハーフ、レッツゴードンキ、ラインスピリット、セイウンコウセイ、レッドファルクス、トーキングドラム、ワンスインナムーンの7頭。母父にキングマンボを持つシュウジを含めて8頭のうちから買い目を検討していく。なおメラグラーナも母父を辿ればシーキングザゴールド、ひいてはミスプロに行き着くが、血統の近さを天秤にかけて今回は外す方向で。傾向を固め打ちするので、本命馬３頭のワイドボックス、さらに＋2頭の三連複５頭ボックスで考えたい。

３連複５頭ボックス買いをここで適用する類型は「休み明けのエンドスウィープは買い」という考え方である。裏を返せば、休み明けがもっともコンディションの良いエンドスウィープ系においては休養明けの馬を優先する。よって、２ヶ月休養を軸として、ラインスピリット、セイウンコウセイ、レッドファルクスを残し、京都牝馬Sから急遽路線を変更したワンスインナムーンの優先度を下げる。

次にキングマンボの取捨。レッツゴードンキ、シュウジ、トーキングドラムのうち、レッツゴードンキに関しては、昨年の高松宮記念での消耗戦で上がり３位を出して８着と、超高速の前残り馬場を加味すれば上々の結果だった。オークスで惨敗した際に「やはりマイルの馬だ」という認識が広まったが、だからといってスプリントの忙しいレースが合っているかと問われれば話は別である。昨年も、裏を返せばスプリントのペースについていけず後方でないもできなかった、と捉えることもできるので積極的に狙いたいとは思えない。シュウジについては、父親のキンシャサノキセキや、その他イスラボニータやサダムパテックなどのフジキセキ産駒が示すとおり、「フジキセキは二度咲く」の類型に当てはまっている。２歳の頃にある程度馬体ができていたにも関わらず上積みがあることを考えると、ここは狙い所だと思える。ちなみにトーキングドラムは故障で２年棒に振っていることも手伝ってか馬が若い状態で、かつこの母系の馬は晩成傾向が強いので、前走はフロックなどではなく成長のピークが来ていると踏んで間違いはないだろう。

このうち、推せる要素の大きいセイウンコウセイ、シュウジ、レッドファルクスの3頭。ラインスピリット、トーキングドラムを加えた３連複５頭ボックスとさせていただこう。