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ジャパンカップキャンペーン キタサンブラック連覇に黄信号!? 〜絶対王者に挑む最強の刺客〜

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ジャパンカップ 今年のダービー馬 去年のJC勝ち馬 3名の予想家が徹底診断!

調整の難しさを 浮き彫りにした初時計
調教 井内 利彰
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11月15日のジャパンカップ1週前追い切り。いつもと変わらないキタサンブラックが、いつもと変わらない黒岩悠騎手を背に、いつもと変わらないCWコースで抜群の動きを見せました。依頼をいただいた時に「いつもと変わらない」という言葉を連発することになるだろうと予測はしていましたが、ただひとつ予測していなかったことがあります。それはこの1週前追い切りが前走後の初時計だということ。つまり『追い切りの開始時期』です。

中3週でのG1。直近では、今年の天皇賞・春や昨年末の有馬記念があります。この2レースの追い切り開始時期はいずれも2週間以上前でした。今回が最も遅い追い切り開始となります。これは前走後の疲労というよりも、ジャパンカップの後にも有馬記念へ参戦するというローテーションが大きく影響していると思います。しかも再び関東圏への輸送となります。そのためにベストな調整と陣営が選択したのが、今回の追い切り開始時期なのでしょう。キタサンブラック自身、レース間隔をあけることなくG1を3戦するのは初めて。その難しさを象徴するような今回の追い切り開始時期なのかも知れません。

夏を越して成長したレイデオロ その表と裏
馬体 若原 隆宏
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筋と腱はどちらも走行時にバネとして働くが、その特性が異なる。腱の生み出すしなやかさが特長に挙げられる馬に筋肉の鎧を着せると、最大の長所であったしなやかさをそぐことにもつながりかねない。ことレイデオロにおいては、走行フォームにもそうしたバランスの微妙なシフトが表れつつある。フルギャロップでの首の位置がやや高くなっている。背中に厚みが伴ったことで、前に振り出されようとする首を後ろから引っ張っている形で、これがどの程度、利いてくるのか。そこが今走の見極めどころになる。

神戸新聞杯の段階で、すでにその兆候は見えていたのだが、レイデオロは体つきが大きく変わりつつある。春までは腰周りのしなやかさがまず目につくバネ型の馬だったが、夏を越して背中の厚みが優位に。肩周りの肉付きも目立つようになった。単純に「成長して強くなった」と了解できるなら買い材料なのだが、一般論として、ことはそう単純ではない。何事にも表と裏がある。「JCにおけるレイデオロ」を、この切り口でどう見極めるべきなのか。結論はすでに出ているが、それは週末までお待ちいただきたい。

不安材料は目に見えない精神的な疲労
データ トキタショウケイ
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宝塚記念でも書いたが、キタサンブラックは「テンよし、中よし、終いよし」で死角を見つけるのが難しい。ただ、3歳時から休みなく使われ、結果も出してきた同馬はタイプこそ違うがテイエムオペラオーと重なる部分がある。そのテイエムは5歳春までは無類の強さを誇ったが、秋にやや陰りを見せた(それでも秋は4戦1勝2着2回だったが…)。肉体面の衰えはなかったと思うが、おそらく休みなく使われてきたことの精神的な疲れが5歳秋に噴出してしまったのではないか。今秋のキタサンも肉体面は大丈夫にしても、精神面は徐々に目減りしていく可能性はある。要はもうひと踏ん張りが使われるごとに効かなくなってくるのではないか、ということ。実際、今年の宝塚記念も前2走の疲れか、直線で踏ん張ることができなかった。そう考えれば秋3戦目の有馬記念が最も怪しいのだが、前走の天皇賞・秋の出遅れ、しかも不良馬場という肉体的にも精神的にも負担がかかる競馬をしたことが気になる。

今年のダービー馬レイデオロは、秋初戦の神戸新聞杯を快勝。その時の2着馬キセキが菊花賞を制したことを考えれば、やはり能力は世代トップクラスだ。あとは古馬との比較だけ。全体で見ると、エリザベス女王杯でのモズカッチャンを筆頭に、条件戦や重賞でも3歳馬は古馬と互角に戦っている。レイデオロが古馬を撃破する可能性は十分にありそうだ。穴をあけるとすれば、レイデオロのように秋に入って極悪馬場の競馬を使っていない、もしくは出走していてもまったく競馬に参加できず疲れがない馬か。

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