スタート地点が芝のコースなので、各馬ダッシュがついて序盤が速くなります。さらに直線も長いために、ペースが緩まず、速くなることがほとんど。基本的に逃げ、先行馬が不利なコースです。しかし、先行馬でも前走大敗から巻き返して大穴を開けることも少なくありません。それはどのようなタイプかというと、一番は前走中山ダ1800mで先行バテした馬です。例えば、2014年のフェブラリーSで16頭立ての16番人気で穴を開けたコパノリッキー。近走はどうだったかというと、前2走とも中山ダ1800mのOPで先行バテしていました。なぜ、中山ダ1800mの2戦で凡退したかというと、冬場の中山ダートは凍結防止剤の影響でとくに時計が掛かり、実走ペースよりもはるかに前へ行った馬が厳しいレースをしているからです。
実際に、過去10年で835頭の前走中山ダ1800m組が1回東京ダ1600mに出走して、前走で3コーナー2〜5番手以内だった馬に限れば、勝ち馬が33頭、2着が34頭で単勝回収率が172%まで上昇します。前走ダ1800m戦を使われていると、東京ダ1600mで後手を踏むこともありますが、それでも通用しているのは、東京ダ1600mは差し、追い込み馬が有利なコースだからでしょう。
▲閉じる東京芝1600mは、緩やかに坂を下っていくUターンコースのため、淡々としたワンペースでレースが流れることが多く、末脚の持続性が問われやすいコースです。末脚の持続性というのはトップスピードを持続させる性能のこと。つまり、前走で上がり3Fが速い馬だけを狙うと、痛い目に遭うこともあります。では、どのような馬を狙えばいいのかというと、3〜4コーナーから動いていっても大きくバテないタイプになります。わかりやすい例を挙げるなら、3年前の東京新聞杯を優勝したヴァンセンヌでしょう。前走の阪神芝1600mの準OPでは、3コーナーの外13番手から長くいい脚を使って、4コーナーでは先頭まで位置を押し上げての勝利。目下3連勝で準オープンを制したために、東京新聞杯では3番人気でしたが、負けていればもっと人気薄になったはず。なぜなら鮮やかに差し、追い込みを決めた馬のほうが人気になりやすいからです。
東京芝1600mでは、いい脚を長く使える馬を狙うこと。穴を狙うならば、前走でマクって失敗した馬を狙うこと。前走3〜4コーナーから動いて、直線なかばまでは見せ場を作りつつ、ゴール手前で失速したタイプを狙うと、中穴〜大穴馬券までまんべんなくGETできるでしょう。
▲閉じる東京競馬場のダートは上がりが速くなりやすいため、ダート1600mも最後の3ハロンで上位の脚を使える馬に向くコースです。新馬戦や500万クラスの下級条件では逃げ馬が勝つレースもありますが、上級クラスにいくほど逃げ切り勝ちは困難になります。
そして、冬のダートといえば凍結防止剤。例年ですと、1回東京開催では開幕前や1月末に散布されるケースが多いです。凍結防止剤と走破時計の因果関係はダート中の水分量によって変わるので、遅くなることもあるし、速くなることもあり、一概には言えません。ただ大抵は少し遅くなるか、パワーを要するダートになることが多いですね。そのため、防止剤が散布されたダートでは大型馬が走る傾向が高まります。フェブラリーSも500キロを超える大型馬の活躍が多いので、覚えておいて損はないポイントでしょう。また、フェブラリーSは前走1400m組もきますが、1800mなどからの距離短縮馬の好走率が高いので、過去の実績をチェックしたいですね。
▲閉じる昨年10月の第4回開催は京都同様に雨が多かった東京競馬場ですが、雨が降ったレース時に騎手が内を開けて通り傷みが分散したこともあり、京都競馬場ほどダメージが残りませんでした。現に、昨年11月末のジャパンCでは内側から抜けたシュヴァルグランが勝ったように、第5回開催最終週でも内が伸びていましたからね。馬場造園課によると、「第4回東京競馬の降雨による傷みが部分的に残るものの、全体的には良好な状態」とのこと。例年通り、第5回開催後に洋芝の追い蒔きをしてシート養生も行っているので、状態は心配ないでしょう。
広大な東京競馬場では芝コースをAからDまで設定でき、この1回東京開催では開催8日間すべてでDコース使用になる点がポイント。幅員が一番狭いコースなので、4コーナー後方馬や大外を回る馬は伸び届かずのケースが多いです。先行〜中団で追走できる馬や内側をうまく立ち回れる馬、かつ後半も速い脚を使える馬を軸にするのが良いでしょう。ただし、雨が降って道悪になったり、開催後半になると外差しも決まるようになるので、傾向の変化には気をつけましょう。
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