枠順確定前の検討ではあるが、展開から考えたい。前哨戦のセントウルステークスで、逃げて道中プレッシャーをかけられながらも2着を確保したラブカンプーが再度逃げれば、互角以上のポテンシャルを持っている。人気もそれほどではないと思われ、妙味あり。当然このレースの勝ち馬である春のスプリント王者、ファインニードルも自力で差してくる。ローテーションも理想形。
問題は7歳馬レッドファルクスの取捨だ。昨年、一昨年も休み明けでの挑戦からの勝利だが、今回は休む前の成績が少し見劣りして流石に苦しいか。しかし、自分の経験上去年の連対馬は軽視できない。まずこの3頭から軸を考えたい。成績から他の馬はどんぐりの背比べで、配当を考えながら予想していく。
実績よりも過去2走までの成績を重視したい。また、一瞬の判断が命取りになるスプリント戦では、乗り替わりはやはりマイナスだろう。過去を振り返っても、近2走を連続して4着以下に負けている馬はほぼ好走(3着以内)しておらず、前走からの乗り替わりも成績が良いとはいえない。
そういった意味では、3連覇がかかるレッドファルクスとレッツゴードンキは3連単2頭軸マルチの軸にはしづらい。面白味はまったくないが、上位人気の中でファインニードル、ナックビーナスはやはり軸候補。穴候補も誰もが驚くというよりは、サマースプリントシリーズで好走したにも関わらず、人気になっていない馬とみている。近2走の時計と予想オッズを考慮しつつ、最終的な判断をしたい。
焦点のひとつがレッドファルクスの3連覇で、JRA平地GIにおいては前人未到。より速力に比重が掛かる芝短距離においては加齢によるフィジカルの低下は致命傷になりかねない。ただ”外国人騎手の3連覇”と言い換えれば現実味がグンと増してくる。
通年免許のC・ルメール騎手、香港から参戦のプレブル騎手(ラッキーバブルズ騎乗)に加え、短期免許でJ・モレイラ騎手も参戦。キーンランドCに引き続きナックビーナスの手綱を取る。「これまでは自分から止める面があった馬。それがゴールを過ぎて2コーナーまでスピードが緩まなかった」と管理する杉浦調教師も"マジック"に舌を巻く。外国人騎手が3連覇を達成するか?今年はジョッキーの観点からの分析も不可欠といえよう。